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「あの日本人は敵だ」同じ県民に非難され… 基地の中から見た沖縄県民投票

  • 2019年2月26日
  • 06:00
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基地従業員の男性が勤めていた嘉手納基地。抗議集会で、同じ県民から「敵だ」と非難された
基地従業員の男性が勤めていた嘉手納基地。抗議集会で、同じ県民から「敵だ」と非難された

 沖縄本島中部の基地従業員男性(27)は、米軍と県民の板挟みになった経験がある。





 2016年、米軍属による暴行殺人事件が起きた後のこと。米軍嘉手納基地のゲート前で抗議する集会が開かれたさなか、基地の警備員を務めていた男性に声が飛んだ。





 「あの日本人は敵だ」





 基地との境界線「イエローライン」を挟んで20、30メートル先にいる市民100人以上の中から指をさされ、拡声器越しに浴びせられた、同じ県民からの言葉。「生活のために働いているだけなのに」。やるせなかった。





職業上は賛成





 男性によると、警備員の仕事はゲートを出入りする米兵らの身分証を確かめ、基地内の交通違反を取り締まる。違反切符を切った経験はなく「普段は出掛ける人に『行ってらっしゃい』と笑顔であいさつするくらいの平穏さ」で、抗議集会は「初めて出合った緊迫感」。ギャップに戸惑った。





 男性は英語圏で働きながら英語を学んで帰国し、本土の期間工を経て基地従業員に。「県外から故郷のよさが見えた。どうせ働くなら、将来に役立てるために英語力を高めたい」と思った。男性によると基地従業員は週5日、8時間勤務で残業ゼロ。福利厚生も充実している。「職業上は新基地建設に賛成する。だが100パーセントではない」





 フェンスに囲まれた基地内で、男性は同僚、上司の米兵と飲み会に行く。「米軍は基地の外でどう思われているか知っている。日本人への接し方は、日本人がするよりも丁寧」。羽目を外す若い軍人も見る。「抑止力として、日本で起きた米軍絡みの事件・事故は全て日本で捜査、裁判できるようにするべきだ」と、日米地位協定の改定に消極的な日本政府も歯がゆい。





三択でよかった





 本島南部で生まれ育ち、沖縄戦の犠牲にされた親族が多い。「基地がなくなれば一番いい」とは思う。





 でも、県民投票で「反対にマル」をためらった理由が二つある。一つは「新基地ができないと安全保障はどうなるのか」。もう一つは「基地返還後にできるのは大型商業施設。雇用は増えても、若い人が安い給料で働く場になるだけでは」と、基地返還後のビジョンに疑問があるからだ。





 今回の県民投票で「どちらでもない」が選択肢に加わり、男性は喜んだ。「複雑な思いがあって『どちらでもない』を選ぶ。県民投票が、いろいろな立場に立たされた県民同士、互いに理解を深めるきっかけになれば」と願い、期日前投票を終えた。(「県民投票」取材班)


 


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