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社説[元米兵 再び無期懲役]基地集中の解消必須だ

  • 2018年9月21日
  • 07:24
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 強姦(ごうかん)致死、殺人、死体遺棄の三つの罪に問われた元米海兵隊員で軍属だった被告(34)の控訴審判決で、福岡高裁那覇支部(大久保正道裁判長)は、無期懲役を言い渡した一審判決を支持した。





 事件は2016年4月、うるま市でウオーキング中だった女性会社員=当時(20)=が殺害され、恩納村の雑木林に遺棄された。





 判決は、被告がスラッパー(打撃棒)で被害者の後頭部を殴り、首を絞めたと事実認定。首の後ろ付近をナイフで数回刺すなどの暴行を加えたが強姦の目的を遂げず、死亡させ、遺体を恩納村の雑木林に遺棄したと認めた。





 控訴審で被告側は、殺人を認定した証拠が捜査段階の自白しかないと指摘し、殺意を示すほどの証拠価値はないと主張。殺人罪を無罪とした上で強姦致死と死体遺棄の両罪について有期懲役を求めたが、裁判所は退けた。





 被告は一審で黙秘を通した。今年7月に開かれた控訴審に被告の姿はなく結審。裁判ではこれまで一言も事件について語っていない。控訴審判決で無期懲役が言い渡された時も、被告は表情を変えなかった。





 黙秘は被告に認められた権利の一つだが、今回はその行使が逆に、被告の「反省のなさ」や「非情性」を象徴したように受けとめられた。判決を受け遺族は「裁判で被告人は人を殺した罪の意識を感じていないように見えた」とコメントを出した。





 被告からはこれまで被害者への謝罪もなく、遺族の無念さは募るばかりだ。





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 那覇地裁は被告に対し今年2月、遺族への賠償を命じる決定を出した。しかし被告に支払い能力がないため、遺族は4月、日米地位協定に基づき米政府に補償を求めた経緯がある。ところが当初、米政府は支払いに難色を示していた。





 日米両政府が、遺族に見舞金を支払うことに正式合意したと発表したのは6月。支払われたのは7月に入ってからだ。支払いを拒む米側に対し、日本側も負担する例外的対応でようやく取り付けた合意だった。





 日米地位協定は、米軍人らによる公務外の不法行為で本人に支払い能力がない場合、被害者側が米政府に補償金を求めることができると規定する。しかし今回の事件を見ても、被害者側が実際に補償にたどり着くには高い壁が立ちはだかっている。





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 被害者が遺棄された恩納村の現場には祭壇が設けられ、事件から2年以上が経過した今も献花が絶えない。ウオーキング中という日常生活で起きた悲惨な事件で県民は、米軍基地と隣り合わせで暮らす現実を目の当たりにした。





 米兵による事件は続いている。今月7日夜には酒に酔った米陸軍兵の男が、高校生がいる家に侵入した。「殺される」と思った高校生は子守をしていた妹を抱えてはだしで逃げ出したという。





 沖縄への米軍基地集中がどういう事態を発生させているか、日米政府は現実を直視すべきだ。


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