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社説[「辺野古」承認撤回]工事強行の瑕疵明白だ

  • 2018年9月1日
  • 08:25
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 辺野古新基地建設を巡り、県は仲井真弘多元知事による埋め立て承認を撤回した。





 翁長雄志前知事が急逝したのに伴い、職務代理者となった富川盛武副知事と、撤回に関する権限を委任された謝花喜一郎副知事が記者会見し、発表した。





 翁長氏が撤回表明してから1カ月余り。翁長氏の公約を貫く重い判断である。





 謝花氏は「翁長知事の思いを受け止め、違法状態を放置できず、行政手続きの観点から判断した」と述べた。





 撤回は、承認後の事情の変化を理由に許認可などの行政処分を取り消す措置である。県が取り得る最大で最終的な手段である。





 政治性を排し、あくまで法律上、行政上の観点から撤回したことを強調したのだ。





 撤回理由として県は、大浦湾側の海底の軟弱地盤や地震を引き起こす活断層の存在を挙げた。





 工事を進めるには、軟弱地盤は地盤改良が必要だが、膨大な予算が伴う。新基地に弾薬搭載エリアなどが備えられることを考えると、活断層が動けば、地震と津波によって新基地が打撃を受けるだけではすまないだろう。





 さらに国は承認の条件となった「留意事項」にある県との環境保全策などの事前協議をせず工事を開始し、行政指導を繰り返しても是正しなかった。不誠実極まりない。サンゴやジュゴンなどの環境保全対策にも問題がある。実際、ジュゴン3頭のうち「個体C」と呼ばれる若い1頭の情報は長く途切れている。





 新基地建設に向けた国の瑕疵(かし)は明白である。





■    ■





 撤回によって工事は法的根拠を失い、即時中断した。





 ただ、国は対抗措置として撤回の取り消しを求める訴訟や撤回の効力の一時停止を求める申し立てなどを取る方針だ。再び法廷闘争に入るとみられる。





 県と国の対立がここまで深まったのはなぜか。





 ずさんな生活・自然環境の保全策。選挙で示された沖縄の民意無視。「辺野古が唯一の解決策」と言いながら、果たされぬ説明責任…。県外から機動隊を導入するなど強行姿勢一辺倒の安倍政権のやり方が招いた結果である。





 安倍政権は県が撤回せざるを得なかったことを謙虚に受け止めるべきだ。





 小野寺五典防衛相は「法的措置を取る」と明言しているが、裁判に訴えるのではなく、県の撤回を尊重し、工事を断念すべきである。





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 問われているのは日本の地方自治、民主主義が機能しているかどうかである。





 県の埋め立て承認の撤回が30日投開票の知事選に影響を与えるのは間違いない。





 知事選は翁長氏の後継候補となる玉城デニー衆院議員と安倍政権が支援する佐喜真淳前宜野湾市長の事実上の一騎打ちとなる構図である。





 玉城氏は辺野古新基地に明確に反対している。





 これに対し、佐喜真氏は新基地について態度を明らかにしていない。司法判断を待ちたいなどと逃げるのではなく、政治家として新基地の是非について語るべきだ。


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