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社説[日米地位協定改定]国民の声と受け止めよ

  • 2018年7月29日
  • 08:30
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 住民を代表する全国知事会の心強い提言である。





 札幌市で開かれた全国知事会議で、日米地位協定の抜本的な見直しを盛り込んだ「米軍基地負担に関する提言」が全会一致で採択された。





 米軍基地のない自治体を含む全47都道府県の知事会が地位協定改定を含む提言をまとめるのは初めてである。





 地位協定は米軍に特権的な地位を与えている。改定は米軍基地が集中する沖縄の問題と矮(わい)小(しょう)化されがちだったことを考えれば知事会が提言した意義は大きい。「国民の声」といっていいだろう。





 提言の内容はこうである。





 (1)米軍機の低空飛行の訓練ルートや時期の事前提供(2)地位協定を抜本的に見直し、航空法や環境法令など国内法を原則として米軍にも適用。事件・事故時の自治体職員の迅速かつ円滑な立ち入りの保障などを明記(3)米軍人らによる事件・事故に対し、実効的な防止策を提示。航空機騒音規制措置は住民の実質的な負担軽減が図られるよう運用し、検証(4)施設ごとに必要性や使用状況などを点検し、整理・縮小・返還を促進-。





 沖縄側の訴えが理解を得た形だが、提言が全会一致で採択された背景にはオスプレイなど米軍機の訓練飛行が「全国展開」され、日本列島に張り巡らされた低空飛行ルートが可視化されたことがある。米軍基地の有無にかかわらず、騒音被害や事故の懸念が高まっているのだ。





 地位協定改定は知事会の総意である。政府はこれに応えなければならない。





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 沖縄では、「憲法・国内法」の法体系が「安保・地位協定」によって大きな制約を受け、捜査権や自治権が制限されているのが現実だ。





 今年6月、米軍キャンプ・シュワブに隣接する名護市数久田の農作業小屋の窓ガラスが割れ、銃弾が発見された。県警は鑑定した銃弾と同型で未使用の銃弾の提供や、立ち入り調査の意向を米側に伝えているが、実現していない。





 基地内の環境汚染はブラックボックスだ。燃料流出事故は実際の発生件数に比べ通報が極端に少ない。ドイツのように緊急時に通告なしで立ち入りもできない。「環境補足協定」が調査受け入れ義務を明記していないからだ。





 県は昨年、17年ぶりに地位協定の改定案を策定し、日米両政府に提出している。





 県の改定案は条文ごとに示しており、それに比べると知事会の提言は物足りなさが残るのも事実である。





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 知事会は日米安保は重要との立場である。それでも米軍基地が住民の安心・安全を脅かし、自治体に過大な負担を強いていると指摘せざるを得ない。その観点から研究会を続行し、知事会として具体的な改定案を提示してほしい。





 沖縄に全国の米軍専用施設面積の7割が集中。跡地利用の経済効果が基地経済を大きく上回り、さらなる返還が求められることも書き込まれた。「フェイクニュース」を断つ意味でも重要である。





 「行動する知事会」がキャッチフレーズとして掲げられた。知事会は政府に対し言葉通りの姿勢をみせてほしい。


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