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社説[名護市へ再編交付金]政府のアメ あからさま

  • 2018年3月25日
  • 09:12
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 辺野古新基地建設を巡り、防衛省は名護市に米軍再編交付金の支給を再開する方針を決めた。中嶋浩一郎沖縄防衛局長が渡具知武豊市長に正式に伝達した。





 渡具知氏は2月の市長選で新基地に反対していた現職を破り、初当選した。前市長時代は再編交付金をストップしており、手のひらを返したような政府の対応である。





 再編交付金は「再編による住民生活の安定に及ぼす影響の増加の程度を考慮し、再編の円滑かつ確実な実施に資すると認める場合に」自治体に交付するものだ。





 渡具知氏は「県と国が係争中の裁判の行方を注視する」と、選挙戦でも新基地の賛否を明確にせず、再編交付金は「受け取れるのであれば受け取る」と発言していた。





 再編交付金は、米軍再編への協力の度合いに応じて支給されるもので、その矛盾が指摘されていた。





 今回、防衛省が再開の方針を決めたのは「前市長においては辺野古移設に反対と明確に言っていた。一方、現市長は賛成でも反対でもない」ことを理由に挙げている。





 渡具知氏は「法令にのっとって対応する。決して容認ということではない」と強調している。防衛省は2017年度の交付金約15億円についても18年度に繰り越す手続きをとり、支給する方針だ。





 交付再開は防衛省が賛否を明らかにしない渡具知氏を、新基地の「円滑かつ確実な実施に資する」と認めたことを意味する。名護市の協力が得られたと判断したのである。





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 再編交付金は、新基地建設を受け入れることがそもそもの条件である。これまでの基地に関連する政府資金とは性格を全く異にするものだ。





 地域を分断し、地方自治を破壊することにつながる懸念が大きいにもかかわらず、財政事情の厳しい自治体に対し、政府は遮二無二に再編交付金による基地受け入れを迫っているのである。





 それだけではない。新基地を巡って防衛省は、辺野古、豊原、久志の「久辺」3区には市を通さず、別の補助金を交付している。前市長が新基地に反対していたため、創設したものだ。





 補助金を地縁団体に交付するのは極めて異例で、市の頭越しに直接カネをばらまくなりふり構わぬやり方である。





 地縁団体には公金の使途をチェックする機能もない。これまた、モラルハザード(倫理観の欠如)や地域コミュニティーの分断を招きかねない「禁じ手」である。





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 沖縄関係予算は減額傾向が続くが、使途の自由度が高い一括交付金も減少の一方である。今秋の知事選をにらみ、新基地に反対する翁長雄志知事に対する「兵糧攻め」とみられても仕方がない。





 再編交付金や「久辺」3区への補助金はもちろん、一括交付金も基地を沖縄に押し込める制度になりかねない。





 基地の集中する沖縄においてカネの力で国策に従わせようとする政府のやり方は目に余る。政府がカネをぶらさげて地方自治に介入してくるのは、地方自治そのものをゆがめるものだ。


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