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社説[辺野古訴訟却下]問うべきこと問われず

  • 2018年3月14日
  • 07:42
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 問うべきことが問われず、門前払いとなった。





 名護市辺野古の新基地建設を巡り、無許可の岩礁破砕は違法として、県が国を相手に破砕を伴う工事の差し止めを求めた訴訟の判決が13日、那覇地裁であった。森鍵一裁判長は県の訴えを却下した。





 県が岩礁破砕を伴う工事の一時的な禁止を求めていた仮処分申し立ても却下した。





 争点は主に二つ。





 一つは県の訴えは裁判の対象になるかどうか。入り口論である。





 那覇地裁は、自治体が条例や規則に従わせるよう求める訴訟は起こせないとする2002年の最高裁判例を引用し「県の訴えは不適法」と退けた。国の主張を全面的に認めた。





 もう一つは、国の埋め立て工事で海底の岩礁破砕に伴い、県知事の許可が必要かどうかである。





 県は県漁業調整規則に基づき「岩礁がある海域には漁業権が設定されている。許可は昨年3月で切れており、工事は違法」と主張した。これに対し国は「名護漁協が漁業権を放棄しており、許可は不要だ」との立場である。





 那覇地裁は却下によってその判断を示さなかった。





 岩礁破砕許可は新基地建設阻止のための重要な知事権限の一つだったが、判断が示されなかったため、知事権限が無力化された格好だ。





 却下に対し、県側弁護団から「裁判所が判断しないとなると、どこにもっていけばいいのか」と戸惑いの声が上がったのは当然だ。





■    ■





 名護漁協は16年11月、漁業権を一部放棄する総会決議をした。





 水産庁は従来「漁業権の一部放棄は漁業法上、漁業権の変更にあたり県知事の免許を要する」との見解を示していた。だが、免許更新直前の昨年3月になって、首相官邸で関係省庁の担当者らが水産庁長官と協議した。





 水産庁は官邸側から「見解の変更を命じられた」とされる。名護漁協が漁業権を一部放棄したことを捉え、「県の許可を受ける必要はない」との見解に大転換した。





 県が訴訟に踏み切ったのは防衛省が岩礁破砕許可が切れたにもかかわらず昨年4月から護岸工事を始めたからだ。





 安倍政権に都合のいい解釈で強引な手法である。





 新基地周辺海域では14年6月、日米合同委員会という「密室」で埋め立て予定地がすっぽり入るよう制限水域の拡大も一方的に決めている。





■    ■





 今回の訴訟は、新基地建設の是非そのものを問うものではない。県側弁護団が訴えたように、国に対し、県知事の岩礁破砕許可を昨年3月までと同じように取るなどルールを守ってほしいということだ。





 国は知事権限を無力化しながら、辺野古新基地の現場では反対する市民らを強権的手法で弾圧している。





 県は控訴するかどうか訪米中の翁長雄志知事が帰任してから決める。安倍政権に都合のいいような解釈変更が認められるのかどうか。立法府も、国会でしっかり議論してもらいたい。


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