
集落を囲むように六つのヘリパッドが造られた沖縄県東村高江区で、米軍機による60デシベル以上の騒音発生回数が、2017年度の12月末時点で8144回と、前年同時期を428回上回っていることが沖縄防衛局の調べで分かった。最新の12月の騒音回数は1760回で、オスプレイ配備後の12年度以降、同月で最も多くなっている。昨年10月に発生した大型ヘリの不時着炎上事故以降、住民の不安解消より軍の運用を優先する米軍の姿勢が浮き彫りとなった。
防衛局は昼間(午前7時~午後7時)と夜間(午後7時~翌午前7時)に分けて、牛道・車集落の60デシベル以上の騒音回数を測定している。村立高江小学校などがある牛道集落では、騒音回数が12年度567回から17年度(12月末時点)は4355回と増えた。夜間は、12年度102回から17年度(同)918回と9倍にまで膨れあがった。
大型ヘリの不時着炎上事故発生場所付近はの車集落は、12年度536回から17年度(12月末時点)は3789回に増加。夜間は、12年度117回から17年度(同)927回と約8倍になった。
最大デシベルは、牛道集落で夜間に93・6デシベル、車集落で昼間に95・5デシベルを記録。ともに12月だった。騒々しい工場の中やカラオケ店内の騒音に相当する。
相次ぐ普天間飛行場所属機の事故を受け、県内では飛行停止を求める声が上がっている。だが、米海兵隊のネラー総司令官は今年1月、飛行訓練の時間を増加させることでパイロットの技能向上を図り、即応体制回復を目指すと説明。基地負担軽減に逆行し、高江周辺での騒音被害は増している。(政経部・比嘉桃乃)