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社説[沖縄関係予算]これでは制度がゆがむ

  • 2017年12月23日
  • 18:25
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 予算を大幅に減らすことで、辺野古移設に反対する知事をけん制し、県内世論に揺さぶりをかける。そんな狙いがすけて見える予算である。





 政府は22日、2018年度予算案を閣議決定した。内閣府沖縄担当部局の沖縄関係予算案は3010億円、前年度に比べ140億円、4・4%の大幅減となった。





 このうち沖縄振興一括交付金は1188億円。使い道の自由度が高く、市町村からも予算確保の要望が強い一括交付金も、前年度比で約170億円、12・6%の大幅減となっている。





 県経済は観光を中心に堅調に推移しており、それを予算面から後押しし、自立的・持続的発展につなげていくことが、何よりも政府に期待された。





 だが、県や市町村の要望は入れられず、総額では2年連続の減額となった。一括交付金は4年連続の減少である。





 県によると、ソフト事業に充てる一括交付金の執行率は、12年度の50・9%から16年度には79・5%に改善している。





 政府はこれまで、一括交付金の執行率の低さを問題にしたが、執行率は確実に改善されているのである。





 江崎鉄磨沖縄北方担当相は、記者会見で減額の理由について聞かれ、「詳細は事務方に…」と説明を避けた。





 減額予算となったのは首相官邸の意向だといわれる。





 沖縄関係予算が「基地維持装置」としての役割を強めれば強めるほど、沖振法に基づく「沖縄振興の論理」がゆがめられていく。





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 18年度沖縄関係予算の問題点は額の減少だけにとどまらない。一括交付金は沖振法に基づく沖縄独自の制度で、沖縄の特殊性に起因する事業などを県や市町村が自主的に実施できる制度として創設された。





 ところが、18年度の沖縄関係予算は、国の直轄事業を軒並み増額する一方で、一括交付金は大幅に削られ、過去最低となった。





 概算要求の段階でまず総額を決め、国として使途を定めている国直轄事業予算を優先的に確保した上で、残った分を一括交付金に回す、という手法を取ったようだ。





 一括交付金制度が本来の趣旨に反し、政府によって都合良く利用されている、と批判されても仕方がないだろう。





 県は、一括交付金がらみの事業を改めて精査し、減額の影響を最小限に抑えるため、事務事業の見直しなどに着手してほしい。





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 一括交付金を巡っては、アイドルグループ「AKB48」のイベントに一括交付金が充てられたことが問題になったこともある。必要性が高く、効果の期待できる事業に充てるべきだろう。





 一括交付金制度は地方分権改革の趣旨を踏まえてスタートした。それが自治体統制の手段としての性格を強めているとすれば問題である。





 沖縄関係予算に対する官邸のコントロールが今ほど強まっている時は過去にない。制度が変質している以上、その役割と効果、問題点を改めて洗い直した方がいい。


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