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社説[元米兵に無期懲役]なおも残るやるせなさ

  • 2017年12月2日
  • 09:13
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 うるま市で昨年4月、ウオーキング中の20歳の女性会社員が殺害された事件で、那覇地裁(柴田寿宏裁判長)の裁判員裁判は、元米海兵隊員で軍属だったシンザト・ケネス・フランクリン被告(33)に求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。





 ケネス被告は暴行目的で女性を殺害したとして、強姦(ごうかん)致死、殺人、死体遺棄の三つの罪に問われていた。「殺すつもりはなかった」と殺意を否認しており、殺人罪が成立するかどうかが争点だった。





 判決は、ケネス被告が鉄と鉛でできた打撃棒でいきなり女性の後頭部を殴り、首を絞め、さらに首の後ろをナイフで数回刺すなどして死亡させたと事実認定した。





 逮捕当日の自白についても「被告人がやってもいないことを自ら話したとは考えられない」として信用性を認めた。その上で「女性を死亡させる危険性が高いことを認識しながら、これらの行為を続けた」と殺意を認定した。





 県民に大きな衝撃を与えた事件である。判決は「被害者には、何の落ち度もない。成人式を終えたばかりで、命を奪われた。遺体は雑木林に捨てられ、ほぼ白骨化した状態で発見された。被害者の無念さは計り知れない。残された両親が、極刑を求めるのは、当然である」と被告の刑事責任の重大さを指摘した。





 公判でケネス被告は黙秘権を行使して真実を語ることをせず、女性や遺族に対する反省や謝罪の言葉もなかった。罪と向き合う誠実な姿勢もみられなかった。





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 求刑通りの判決が出たのに、気持ちが一向に晴れないのはなぜだろうか。





 将来を約束した男性と希望に満ちた未来が待っていたはずの若い女性の人生が突然、断ち切られたのである。直面した恐怖や痛み、絶望を思うと、気持ちを鎮めることができない。





 一人娘を奪われた遺族の悲嘆は察するに余りある。公判で母親は「怒り、憎しみ、苦しみ、悲しみをずっと胸に、何の生きがいもなく、楽しみもなく、悲しみだけで、ただ、ただ生きていくだけです」と陳述。父親も判決後、「被告人には真実を述べてほしかった。私達と娘に謝ってほしかった。被告人を許す事は出来ません」と癒えることのない胸の内を明かした。





 恩納村の遺棄現場には常に新しい花束が供えられ、手を合わせる人の姿が絶えない。沖縄に暮らす私たちは今も怒りや苦しさ、やるせなさを共有している。





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 今回の事件はケネス被告の個人的な問題と軍隊として米軍が持つ構造的暴力の二つの側面がある。





 事件が突きつけたのは沖縄戦から72年たっても民間地域でウオーキングさえ安心してできない現実である。





 女性の人権をじゅうりんする強姦事件は、沖縄戦のさなかから、現在に至るまで続いている。基地あるが故の事件という本質を不問にすることはできない。根本的問題は地上兵力が沖縄に集中し過ぎることである。国外、県外に分散配置することなしに問題は解決しない。


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