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社説[辺野古工事着手半年]国に文書で協議求めよ

  • 2017年10月26日
  • 07:50
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 当事者の間で問題解決に向けた真剣な対話や協議がなければ、環境影響評価法に基づく環境アセスメントや、公有水面埋立法に基づく埋め立てはうまくいかない。





 日本環境アセスメント学会の島津康男・元会長はかつて、辺野古アセスを「史上最悪のアセス」だと酷評した。今や埋め立て事業も、当事者同士の対話や協議を欠いた「史上最悪の埋め立て」になりつつある。





 政府は半年前の4月25日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸を埋め立てる護岸工事に着手した。本来なら丁寧に対応すべき県との事前協議が整わないまま、見切り発車したのである。





 最高裁判決という「後ろ盾」を得た政府はこの半年、住民のあきらめを狙って、しゃにむに護岸工事を進めてきた。だが、それも限界だ。





 工事強行によって各面に生じているひずみや分断は、あまりにも深く大きい。





 埋め立て承認以降に表面化したさまざまな動きを踏まえ、県は国に対し早急に工事の中止と現状打開に向けた協議を文書で申し入れてほしい。話し合いを拒否するのであれば、ためらうことなく撤回に踏み切るべきだ。





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 前知事による埋め立て承認後に表面化した事態は以下の通りである。





 (1) 2014年1月の名護市長選、11月の県知事選、12月の衆院選、2016年の参院選のすべての選挙で、「辺野古反対」を主張する候補が完全勝利した。





 22日の衆院選でも米軍基地が集中する2、3区や、県都那覇市を抱える1区で、引き続き「辺野古反対」を掲げる前職が勝った。選挙で示された民意は重い。





 (2) 政策決定によって最も影響を受けるものが決定の場から外され、意思表示すら無視され、結果だけが一方的に押しつけられるようなことがあってはならない。米軍基地建設に関しては特にそうだ。これが前提である。





 沖縄の犠牲を前提にした同盟管理は、沖縄の人びとの人権を軽視し、行政の不公平・不公正を固定化するものである。





 (3) 最高裁判決はこうした点には触れていない。最高裁で県は敗訴したが、この訴訟で最高裁が認めたのは、前知事の埋め立て承認に違法性はない、という点である。





 最高裁判決によってこの問題は終わったという主張は、法律論にとどまる。





 (4) 辺野古移設によって問題は解決するのか。名護市安部海岸で起きたオスプレイの大破事故と、東村高江で起きたCH53Eヘリの炎上事故は、いずれも「クラスA」に分類される重大事故だった。





 相次ぐ緊急着陸と二つの重大事故は、県内どこでも、事故が起こりうることを示している。





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 炎上事故の発生で県議会は、高江を取り囲むように建設された6カ所のヘリパッドの使用禁止を全会一致で決議した。





 演習場と住宅地が隣接する本島北部の危険性は、もはや放置できない。辺野古を含む日米合意の見直しが求められているのだ。





 (5) 埋め立て予定海域で、環境省のレッドリストに記載されたオキナワハマサンゴの群体が見つかった。7月に確認していたのに県には一切の報告がなく、14群体あったうち生き残っているのは1群体だけ。保全対策を行わなかった結果だと、県は主張する。





 (6) 岩礁破砕許可の期限が切れた後も、政府は県の許可を得ないで工事を進めている。地元漁協が漁業権を放棄したことで県の許可は不要になったというのが政府の見解だ。その背景にあるのは、漁業権を巡る水産庁の突然の解釈変更である。





 この種の埋め立てに伴う問題は数多いが、情報が開示されず、立ち入り調査もままならないのが実情だ。





 (7) 対話と協議を欠いた強権的な米軍基地建設は、「史上最悪の埋め立て」にならざるを得ない。





 政府に護岸工事の中止と協議を文書で申し入れ、政府が拒否するのであれば、翁長雄志知事は未来の子どもたちのためにも、堂々と埋め立て承認を撤回すべきであろう。


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