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社説[原発政策]具体策示し違いを競え

  • 2017年10月15日
  • 09:06
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 世界最悪規模の東京電力福島第1原発事故が起きてから6年半が過ぎた。





 政府は9月、廃炉に向けた中長期ロードマップ(工程表)を改定した。1~3号機の溶融核燃料(デブリ)はいずれも正確な状況はわからない。デブリの取り出しは最も困難とされ、廃炉に向けた作業全体に影響する。工程表は「30~40年後の廃炉完了」を維持したが、計画は不透明さを増し、見通しが立たない。





 安倍政権は再稼働に前のめりだ。廃炉が決定した原発を除くと現在、国内にある42基のうち4基が稼働している。国の責任があいまいのまま原子力規制委員会のお墨付きによって再稼働が進む。





 衆院選で自民党は「原発依存度を可能な限り低減する」との公約を掲げる。一方で原発を「重要なベースロード電源」と位置付ける。規制委の審査をパスすれば再稼働を進める方針だ。だが、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分地のめども立っていない。説明が必要だ。





 野党は、希望の党が「原発ゼロ」を打ち出し、自民党との対抗軸を鮮明にする。わかりにくいのは2030年までに実現するとしながら、再稼働を認めると言っていることだ。立憲民主党は「一日も早く」と訴える。いずれも具体的な工程表を示すべきだ。





 共産党は「原発ゼロを政治決断し、再稼働を中止する」、社民党は「原発の新増設は全て白紙撤回、再稼働に反対」を表明している。





 与野党とも国民生活に重要なエネルギー政策で丁寧な説明をしてもらいたい。





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 衆院選公示の日、東電福島第1原発の被災者約3800人が国と東電に損害賠償などを求めた訴訟の判決が福島地裁であった。両者の責任を認定し、約2900人に総額約5億円の支払いを命じた。





 福島第1原発を襲った大津波を予見できたかどうかが最大の争点だったが、判決は国、東電とも津波を予見できたにもかかわらず、対策を怠ったと認定した。





 判決の論理は明快だ。





 政府・地震調査委員会が02年に地震に関する長期評価を発表した。これに基づき試算すれば、国と東電は敷地を大きく超える15・7メートルの津波を予見することは可能だったと指摘した。





 国が02年中に東電へ対策を命じていれば事故は防げたとして、「国の規制権限の不行使は著しく合理性を欠いていた」と「不作為」を厳しく批判した。当然である。





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 希望の党が「原発ゼロ」を掲げたため争点になったが、被災者支援について触れられることはあまりない。





 福島県ではなお5万人を超える人たちが県内外で避難生活を強いられている。





 国策として原発政策を進めながら事故は「想定外だった」と責任回避する国の姿勢は許されない。





 判決でもう一つ注目されたのは国の中間指針に基づき東電が支払っている慰謝料、被害救済の対象についても、広げていることだ。各党は、被災者の生活再建についても具体的に語るべきだ。


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