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社説[辺野古訴訟]強引な法解釈変更問う

  • 2017年10月11日
  • 07:27
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 名護市辺野古の新基地建設を巡り、県が岩礁破砕を伴う国工事の差し止めを求めている訴訟は、提訴から2カ月半がたち、第1回口頭弁論が那覇地裁で開かれた。





 埋め立て承認取り消し処分の是非が争われた過去の訴訟と違って、今回の論点は埋め立て海域の漁業権の有無だ。 口頭弁論で意見陳述した翁長雄志知事が強く指摘したのは、法治国家の在り方からはほど遠い安倍政権の手法だった。





 辺野古沖の大浦湾を埋め立てて新基地を建設するには、湾内の岩礁破砕が避けられない。





 漁業権が設定された海域で工事を実施する場合、県の岩礁破砕許可を得る必要があるが、前知事が出した許可は3月末に期限を迎えた。





 政府は名護漁協が漁業権を放棄したため許可は必要ないとして工事を続行している。





 「漁協の放棄議決で漁業権がなくなるものではない」との趣旨の考えを示していた水産庁が、3月になって突然、漁業権の消滅を主張し、岩礁破砕許可は不要との政府の判断にお墨付きを与えたのである。





 県が提訴に踏み切ったのは「このまま工事が進めば無許可のまま岩礁が破砕されるのは確実で、県漁業調整規則に反する」と判断したからだ。 法廷で翁長知事は「国に都合のよい解釈で法を運用することが許されるなら、法の安定性が危ぶまれる事態に陥る」と厳しく批判した。





 法律を誠実に執行する立場にある政府が、恣意(しい)的に解釈を変更することが許されていいはずはない。





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 県は岩礁破砕許可問題について、国に繰り返し文書照会してきたが、回答は得られなかった。





 「安倍1強政治」を背景にした強引な法解釈の変更にこそ問題の本質は潜んでいるというべきだろう。





 1995年11月、国会で内閣法制局長官が「国会における論議の積み重ねを経て確立され定着しているような解釈については、政府がこれを基本的に変更することは困難である」と答弁したことがある。





 にもかかわらず安倍政権は「法の番人」といわれる内閣法制局長官をすげ替え、憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使を容認した。法曹界から違憲の疑いが濃厚だと指摘された安全保障法制を解釈変更で成立させたのである。





 今回の水産庁の見解の変更とやり方がよく似ている。 





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 意見陳述で翁長知事は、辺野古新基地を巡る訴訟合戦と形容されることは本意ではないと語った。 





 米軍基地問題を巡る県と政府の対立は司法で解決するには限界がある。最高裁判決が出たからといって問題が終わったことにもならない。





 昨年6月、国地方係争処理委員会は「普天間返還という共通の目的の実現に向けて真摯(しんし)に協議し、納得できる結果を導き出す努力をすることが最善の道だ」と双方に議論を促す判断を示した。





 問題をもう一度政治の場に戻し、協議を継続していく道を探るべきである。


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