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社説[稲田防衛相辞任]許されぬあいまい決着

  • 2017年7月29日
  • 09:25
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 南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報を廃棄したとしながら陸上自衛隊が保管していた問題で、稲田朋美防衛相が辞任した。





 日報隠蔽(いんぺい)に稲田氏が関わっていたかが最大の焦点となっていたが、特別防衛監察結果は核心に切り込まないあまりにもおざなりな内容である。





 「陸自側から日報のデータ保管の報告があった可能性は否定できない」としながら、監察結果は「保管の事実を非公表とする方針を稲田氏が了承した事実はない」と結論付けた。





 一方、稲田氏が否定していた2月13、15日に防衛省幹部らから陸自の日報に関する説明を受けたことは認定している。一部報道によると、陸自側から保管の事実を伝えられた13日のやりとりを記したメモが存在する。報告を受けた稲田氏は、国会審議を念頭に「明日、何て答えよう」と発言したという。特別防衛監察はなぜ、こうした点を突き詰めなかったのか。





 特別防衛監察は、防衛相直轄の防衛監察本部が重大な不正行為などを調査するが、防衛相は対象外である。稲田氏は約1時間聴取されているが、見解の食い違いがあっても関係者の追加聞き取りを実施した形跡はない。





 安倍晋三首相は任命権者であると同時に自衛隊の最高指揮官でもある。防衛省・自衛隊が混乱状態に陥った後も手を打たなかった責任は極めて重い。首相は「閣僚の任命責任は、全て私にある」と決まり文句のようにいうが、具体的にどのような責任を取るのか明らかにしてもらいたい。





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 日報隠蔽が情報開示の在り方の問題にとどまらないのは、戦前に軍部の暴走を許した反省からできたシビリアンコントロール(文民統制)の根幹に関わるからだ。今回の問題は政治家である文民の稲田氏が実力組織の自衛隊を統制できていない証しである。





 日報の隠蔽が政治問題化したのは昨年7月、陸自の宿営地があった首都ジュバで政府と反政府勢力で大規模な戦闘が発生したことである。日報には「戦闘」などの生々しい表現が出てくる。





 稲田氏は国会で「(戦闘行為が)行われたとすれば9条の問題になるので、武力衝突を使っている」と意図的に矮(わい)小(しょう)化していると受け取られるような答弁をした。自衛隊員の命に関わることである。紛争当事者間の停戦合意など「PKO参加5原則」が崩れていたとみるほかない。





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 北朝鮮の核・ミサイル開発で緊張が高まっているこの時期に、防衛大臣・事務方トップ・陸自トップがそろって退く深刻な事態である。





 政権の支持率の回復のために真相究明が遅れたり、ゆがめられたりすることがあってはならない。





 衆院安全保障委員会の閉会中審査について、与党は安倍首相の出席に難色を示しているが、一日も早く国会を開き、安倍首相出席の下で稲田氏、黒江哲郎前防衛事務次官、岡部俊哉陸上幕僚長らを招致すべきだ。独立した第三者機関による調査も早急に行うべきである。あいまいな処理は許されない。


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