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社説[ヘリパッド運用開始]米軍に便宜 住民負担増

  • 2017年7月13日
  • 07:05
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 住民の反対が続いているにもかかわらず、事前通知もなしに、米軍北部訓練場に新たに造られたヘリパッドの運用が始まった。





 沖縄防衛局などによると11日、在沖米海兵隊のオスプレイ1機が、国頭村側に位置する「N1」「H」地区のヘリパッドで離着陸を繰り返す様子が確認された。





 北部訓練場は、日米特別行動委員会(SACO)最終報告に基づき、約半分に当たる約4千ヘクタールが昨年12月に返還された。





 返還区域にあるヘリパッドの移設を条件としたため、東村高江の集落を取り囲むように6カ所のヘリパッドが計画され、2014年までに2カ所、残る4カ所も昨年12月までに新設された。





 オスプレイの騒音や墜落の恐怖という負担を住民が背負うことになった部分返還は、SACOによる沖縄の米軍基地再編の限界を象徴する。





 北部訓練場がある「やんばる」には、世界でここにしかいないノグチゲラなどの貴重な動植物が生息している。環境省は昨夏、やんばるを国立公園に指定し、世界自然遺産登録に向けての準備も進める。国が亜熱帯の森の価値を認めたからにほかならない。





 豊かな森を切り開いて建設されたヘリパッドを使い、オスプレイを運用することで、生態系と暮らしが脅かされることになる。先行使用されている2カ所で騒音被害や睡眠不足による体調不良などの影響が出ていることからも負担増は明らかである。





 北部訓練場の部分返還は無条件とすべきだった。





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 日本政府はSACOの成果をアピールするため、返還面積を大きくするのにこだわり、米軍はさまざまな条件を付け、名より実を取った。





 交渉の結果、北部訓練場ではヘリパッド新設のほか、上陸訓練のため必要だとして宇嘉川河口部の陸域と水域も追加提供されている。





 米海兵隊は「戦略展望2025」の中で「使えない土地を返す代わりに、利用可能な訓練場を新たに開発」したと成果を強調している。負担軽減が目的だったはずなのに、機能強化が進んだのである。





 さらに政府は、全国から約500人の機動隊員を動員し、ヘリパッド工事を強行。防衛省設置法を都合よく解釈し、資材搬入に自衛隊ヘリまで投入した。





 政府の強引なやり方も、住民に負担を強いるものであった。





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 SACO合意の破綻は、負担軽減と抑止力の維持を沖縄だけで完結させようとしたところにある。





 米軍が厳しい返還条件を付けているのは基地の機能維持、向上のためである。地元からすれば、それは新たな負担以外のなにものでもない。





 政府はヘリパッド運用開始によって高江周辺住民が受けるであろう基地負担をどのように考えているのか。





 少なくとも住宅地上空の飛行制限や夜間訓練の中止、希少種への影響調査など、住民の暮らしと豊かな生態系を守る明確な対応策を示すべきである。


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