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社説[嘉手納で夜間降下]訓練の常態化を許すな

  • 2017年5月12日
  • 09:00
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 米軍は10日夜、嘉手納基地で、同基地所属のMC130特殊作戦支援機から、パラシュート降下訓練を強行した。





 日米両政府は、1996年の日米特別行動委員会(SACO)で、降下訓練は伊江島補助飛行場で行うと合意している。その合意に反する形で、米軍が同基地で訓練を実施したのは到底許されない。





 それも、今回はこれまでになかった夜間の訓練である。夜間は、空から地上の目標が見えにくくなるため、非常に危険が伴う。実際、目標のポイントから大きく外れた降下が確認された。基地周辺には住宅が密集しており、一歩間違えば住民を巻き込んだ事故が起きる恐れは拭えない。2重にも3重にも問題のある訓練と言わざるを得ない。





 同基地では4月24日に、6年ぶりに降下訓練が強行され、県や周辺自治体が強く抗議したばかりである。その憤りがおさまる間もなく、今回の訓練が立て続けに行われた。中止要請を押し切られた地元自治体が即座に抗議決議を可決し、猛反発したのは当然のことである。





 嘉手納基地には米コロラド州バックリー空軍基地所属のF16戦闘機が飛来し、全12機の暫定配備が完了した。すでに爆音をまき散らす訓練が始まっている。





 同基地では近年、米国各地から州軍機の配備が続き、飛行訓練を実施することが恒常化している。増大する騒音被害に周辺住民の生活が脅かされている。政府は「負担軽減」を繰り返すが、真逆の機能強化、負担増が進んでいるのが実態だ。 





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 本来実施してはいけない嘉手納基地での降下訓練は、日米の合意以降、8回に上る。なぜ繰り返されるのか。さまざまな日米合意につきものの米軍の運用を優先できる「例外規定」があるからだ。





 07年の日米合同委員会で、嘉手納は「例外的な場合に限って使用する」と確認された。米軍には都合のいい抜け穴となり毎回、「例外措置」だと開き直ることができる。





 降下訓練にしろ、航空機の騒音防止協定にしろ、日米両政府間の約束事が、「例外規定」を盾に現場では守られない。「例外」が繰り返され、まるで「原則」のように変換される。合意であれ、協定であれ、形骸化し、有名無実化しているのが、安保の現場・沖縄の実情である。





 今回、政府は米側に遺憾の意を伝えたが、合意の順守と、訓練の常態化を許さない姿勢を強く示すべきである。





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 訓練の事前通報はあったが、実施のわずか4時間前だったという点も問題である。





 米軍は1月には津堅島付近で、通告と異なる日に、パラシュート降下訓練を行った。4月には読谷村でも、村に通告せずにヘリによる車両つり下げ訓練を実施した。米軍のやりたい放題の事例は、ことしに入ってからもこんな具合で続いている。





 基地と隣り合わせの生活を余儀なくされている沖縄での軍事訓練には、常に大きな危険が伴う。広大な面積の基地がある米本国と違い住宅が密集する沖縄で、同じように訓練するのは許されない。


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