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社説[北朝鮮ミサイル発射]瀬戸際外交はもう限界

  • 2017年4月30日
  • 09:55
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 きのう早朝、北朝鮮が再び弾道ミサイルを発射した。





 北朝鮮の核・ミサイル問題を討議する国連安全保障理事会の閣僚級会合が開かれた直後のことだ。





 発射は失敗に終わったようだが、軍事的圧力を強めるトランプ米政権への対決姿勢を鮮明にするものである。





 ミサイル発射は今月に入り3度目。朝鮮半島情勢は当時のクリントン米政権が核施設攻撃を検討した1994年の北朝鮮核危機以降、最も深刻な事態に陥っている。 





 トランプ政権は今月上旬、原子力空母カール・ビンソンを朝鮮半島周辺に向かわせた。「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備に向けた準備も進めている。北朝鮮情勢を巡っては、ホワイトハウスに上院議員100人全員を招いて説明会を開くなど、かつてない対応が続く。





 このままでは北朝鮮が核を乗せた大陸間弾道ミサイル(ICBM)で米本土を狙えるようになるという焦りがあるからだ。





 安保理の閣僚級会合で米国のティラーソン国務長官は圧力を強化する「国際包囲網」の構築を訴えた。中国の王毅外相は「対話再開を真剣に考える時だ」と6カ国協議の再開を呼び掛けた。





 直後のミサイル発射は、このところ連携を強める米中に対する反発ともみられる。





 挑発行為を繰り返しながらも「レッドライン」とされる核実験やICBMに踏み込まなかったのは、圧倒的な軍事力を持つ米軍との衝突は避けたいという思惑もあってのことだろう。





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 今回、発射されたのは空母などを狙う対艦ミサイル「KN17」とされ、カール・ビンソンをけん制する狙いがあったとみられる。





 カール・ビンソンと海上自衛隊の護衛艦は日本海で共同訓練を実施しており、朝鮮半島周辺では韓国海軍との訓練も予定されている。





 日米韓の「示威行動」がどこまで北朝鮮に通じるのか。むしろ反発を強めているようにも見える。





 現時点で米国が先制攻撃に出る可能性は極めて低いものの、緊張激化が予期せぬ衝突につながる可能性がある。





 ミサイル発射は明確な国連安保理決議違反だ。挑発行動は絶対に容認できない。





 相手国から譲歩を引き出すため緊張を高める「瀬戸際外交」をこれ以上続ければ、孤立は一層深まり、自らを破滅へと導く。





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 国内ではミサイル発射の報道を受け、東京メトロなどが一時運転を見合わせた。





 ミサイルから身を守る方法などを説明した「国民保護ポータルサイト」の閲覧件数が急増しているというニュースもあった。





 北朝鮮を巡る緊張は高まっているが、国内に着弾の恐れがあったわけでもなく、危機感をあおっているという側面は否めない。実際に着弾したとなれば逃げるどころの話ではない。





 最も重要なのは外交努力による解決を放棄しないことである。プロパガンダに乗らない冷静さも求められている。


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