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【新垣論考を読んで-承認撤回と県民投票(上)】辺野古基地 撤回を先に 知事選以降 民意揺るがず

  • 2017年4月13日
  • 14:07
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 新垣勉さん、私の寄稿に対し丁寧なご返答をありがとうございました。ここに書くことは、辺野古基地阻止という共通の目的を持った者同士の議論の積み上げとして読んでいただければ幸いです。


 これは本来、沖縄の人が書くべきことですが、悩んだ末、沖縄の仲間たちを代弁してもう一度私が書かせていただきます。7日付の本紙で「『オール沖縄』、県民投票の準備を始動」という報道も受け、これは新垣さんだけでなく「オール沖縄」指導層全体に宛てます。





■2年半たっても





 新垣さんが、県知事選から2年3カ月経過してその間に辺野古の埋め立て承認取り消し処分が「違法」とされる判決やさまざまな選挙を経て「時間が経過」したし、「民意が動くものである」ことも踏まえると辺野古新基地建設1点での県民投票が重要だという点ですが、前知事選こそが事実上辺野古を巡る県民投票だったことに異論を唱える人はまずいないでしょう。時間がたってしまったことを言うならば、まず、10万票もの差で勝って翁長雄志氏が県知事になったときから2年半たっても「撤回」を行っていないことを検証するべきではないでしょうか。


 新垣さんは、翁長知事が「取り消し」を意識して「第三者委員会」を開催していた最中の2015年5月、「委員会の結果を待つまでもなく先行して撤回は可能」として「撤回」を知事に要請した専門家集団「撤回問題法的検討会」のメンバーでした。あれから約2年、知事は「撤回」を行わずに今に至るのです(去る3月25日に「撤回」をする予定と表明しましたが、実際にしないでいる限りは延期し続けている実体に変わりはありません)。


 これについて批判も検証も要求もせずに、過ぎ去った時間を補填(ほてん)するかの如く「県民投票」を打ち出すのでしょうか。





■工事止める責任





 「第三者委員会」にしても、裁判所が「取り消し」を違法と判断し、その後知事が「取り消し」を取り消し、工事再開を許すという形で、ご自分たちの専門的意見が完全に否定されたのに、公的批判も検証もしませんでした。このように、何かやってうまく行かないたびに検証もしないで次に進むということを繰り返していると、これでまた「県民投票」を行って目的を達せられなかったら、それも検証もせずに別の方策に切り替え、その間に基地はどんどん完成に向かって進むという事態になりかねません。


 私は前の論(3月1、2日本紙)で述べたように県民投票にはメリットがあまり期待できない割にリスクが多すぎるから、まず知事の即刻「撤回」が必要と思う考えに変わりはありません。そして元裁判官の仲宗根勇氏が繰り返し翁長知事に進言してきているように、国に工事再開のための「執行停止」をさせないために、「撤回」と同時に、「執行停止の差し止めの訴え」と「仮の差し止め」を同時に提訴すれば、行政行為の公定力によって撤回の効力が持続し、工事は止まります。


 翁長知事とその弁護団は昨年12月26日に「取り消しの取り消し」によって工事再開を許した責任を重大に受け止め、「撤回」を効果的に実行して一刻も早く工事を止める責任があると思います。





■公約果たす義務





 しかしどうしても「オール沖縄」指導層が県民に多大な負担のかかる県民投票をしたいのなら、(1)まず県民に納得のいくようにこれまでのやり方の検証を示した上、(2)なぜ県民投票が必要なのか、(3)県民投票が生み出す具体的な効果とは何なのか、(4)その効果が得られると確信する具体的な根拠を示し、(5)その間に進む工事を予測し、県民投票の効果として工事が中止された場合賠償請求されるかもしれないその費用はどの程度か、(6)その時点から大浦湾の原状復帰はどの程度可能でどの程度の費用がかかるのか、(7)万一負けた場合はどうなるのか、といったリスクを冷静に分析し、県民が理解してくれるかどうか諮ってみたらどうでしょうか。厳しい結論になると思いますが。


 しかし今月20日に埋め立てが着工といわれていることからも、最低限まず「撤回」して工事を止めた後である必要があります(その場合(5)、(6)の条件は変わります)。半年も埋め立てを進ませながら県民投票を行い、その後「撤回」など論外です。


 分かりきった民意を高い代償をかけてもう一度調べる必要があるのでしょうか。


 再論しますが、辺野古新基地建設に反対する民意が揺るぎないものであることを県民は十分示してきました。先述のように翁長知事の当選が何よりもの証拠であり、埋め立て承認の事後のことであるから「撤回」に要求される承認後の事由として成り立ちます。


 宜野湾や宮古島、浦添といった局所的な選挙では「オール沖縄」という政治勢力が負けたということであり、かつ市レベルで翁長知事当選時からの勢力図を塗り替えるものですらなく、辺野古基地反対が過半数であるという県全体の民意は揺らいでいません。仲井真前知事の埋め立て承認以来、世論調査や意識調査でも沖縄県内で辺野古移設反対が過半数にならなかったことは一度もありません。


 知事には、知事の任期を使って公約を果たす義務および権利があるのですから、任期の途中でなぜ、民意が変わっていないかどうか調べる必要があるのでしょうか。言及されている「出直し選挙」についても同様です。これが仮に、時間が有り余るほどあるのなら行っても害にはならないかもしれませんが、工事はどんどん進み取り返しのつかない領域に入りつつあります。それは、「撤回」で被る国の不利益がどんどん増えるということも意味します。





 





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