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社説[防衛局が掘削調査]憲法より米軍が上位か

  • 2017年4月5日
  • 07:06
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 法令解釈を恣意(しい)的に変更し、なりふり構わず工事を強行する政府の姿勢は理不尽極まりない。





 辺野古新基地建設を巡り、沖縄防衛局は前知事が出した岩礁破砕許可が切れた後も、工事を続行している。破砕許可が有効な3月中に汚濁防止膜を固定するためのコンクリートブロック計228個を投入し、3日から、新たな申請をしないまま海底のボーリング調査を始めた。県はどのような調査か防衛局との「協議」が必要としており、5日にも行政指導する方針だ。





 この間の政府の都合のいい法令解釈には唖(あ)然(ぜん)とするばかりだ。県漁業調整規則は漁業権が設定されている漁場内で海底の地形を変更する場合、知事の破砕許可が必要だと定めている。





 政府は名護漁協がキャンプ・シュワブ沖の「臨時制限区域」の漁業権を放棄する手続きを取ったため、破砕許可なしでも工事を継続できるとしている。水産庁の解釈変更である。県は漁協の漁業権放棄の手続きがあっても、漁業権の消滅には知事の許可が必要との認識で、従来の水産庁の見解がこれである。





 水産庁はなぜ突然、解釈変更をしたのか。新基地建設のためだとしか考えられない。





 実際、那覇空港第2滑走路建設に伴う漁業権について、同じ政府の機関である沖縄総合事務局は、地元漁協が漁業権を放棄する手続きを取っても漁業権は存在するとして県に岩礁破砕許可の更新を申請しているからだ。明らかな「二重基準」である。





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 キャンプ・シュワブ沖の広大な「臨時制限区域」は、県の了解を得ることなく、日米合同委員会で一方的に決めたものである。





 防衛局が海中に投入した大型コンクリートブロックがサンゴ礁を傷つけたとみて県は2015年、臨時制限区域内での潜水調査を申請したが、許可が下りるまでに半年もかかった。結局、サンゴ礁の損傷が確認できなかった。原因特定を難しくするため許可を引き延ばしたとの疑念がいまだに消えない。県は今回も臨時制限区域内での潜水調査を米軍に申請する意向だが、見通しは立っていない。





 米軍基地は自治権を制約し住民にさまざまな負担を強いる。県や地元名護市の同意なしに強権的に米軍基地を建設することは許されない。それが憲法が要請する前提だ。





 ましてや、前知事が選挙公約に反して埋め立てを承認して以降、知事選、衆院選、参院選とすべて新基地建設反対の候補者が勝利し、明確な民意が示されているのである。





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 後戻りできないほど工事を一気呵成(かせい)に進め、県民の間に「抗議しても仕方がない」と「あきらめ感」を引き起こすのが政府の狙いである。





 権力は抑制的に行使しなければならない。立憲・民主主義の基本である。だが、新基地建設を巡ってあらわになっているのは反対運動を力でねじ伏せ、強行突破を図ろうとする政府の強権的な姿勢である。このような理不尽な手法を許せば沖縄だけでなく、いずれ国策に異を唱える全国の自治体がその対象となろう。


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