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対米従属で限界露呈 基地負担軽減の成果見えず 外務省沖縄事務所・開設20年 

  • 2017年2月26日
  • 11:54
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外務省沖縄事務所開設20周年レセプションで翁長雄志知事(中央)ら出席者と乾杯する岸田文雄外相(左)=25日午後、那覇市・パシフィックホテル沖縄
外務省沖縄事務所開設20周年レセプションで翁長雄志知事(中央)ら出席者と乾杯する岸田文雄外相(左)=25日午後、那覇市・パシフィックホテル沖縄

 外務省は25日、沖縄事務所開設から20年を迎えたことを記念する式典を那覇市内で開催した。岸田文雄外相は沖縄事務所は20年間、沖縄と米国をつなぐ役割を果たしてきたとした上で、「今後も沖縄の声に耳を傾け沖縄の発展に貢献したい」と述べた。





 岸田氏は、沖縄事務所は沖縄の自然や文化などを広く世界へ発信する役割を担ってきたと説明。20年間を振り返り「多くの関係者に理解と力添えを頂いた」と謝意を示した。名護市辺野古の新基地建設など基地問題への言及はなかった。





 来賓で参加した翁長雄志知事は、基地問題への取り組みに対し「沖縄事務所が果たした意義は大きい」と評価。基地問題解決に向け、沖縄事務所と県が連携を図る重要性を指摘し、「基地負担軽減に向け支援と協力をお願いしたい」と要望した。





 外務省沖縄事務所は、米軍の運用に関する県内市町村の意見や要望を聞き取り、在沖米軍との交渉に当たることを目的に1997年2月に開設。在外公館大使と同じ権限を持つ沖縄担当大使を置き、対米交渉などに当たってきた。現在の川田司大使を含め、これまで12人が大使を務めてきた。





 一方、20年間、事件・事故の再発防止や米軍機の運用規制など沖縄から出た要望の多くはいまだに実現していない。県内からは存在意義を問う声も出ている。岸田氏は26日、翁長知事や在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官らと会談する。









対米従属一辺倒 「全権」付与の大使、限界露呈





 外務省沖縄事務所が設置されてから20年を迎えた。「特命全権」を付与された沖縄担当大使をトップに、地元の意向を米側へ伝える対米交渉の役割を担うことが目的だったが、20年間、事件・事故の再発防止や米軍機の運用規制など沖縄が要望したことの多くはいまだに実現していない。米軍との交渉の中身や本省への報告内容が公表されることはなく、県民には不信感さえ漂う。





 「国民を守らず米軍を守るのは主権国家なのか。沖縄事務所の役割は何なのか」。24日、嘉手納爆音訴訟原告団の池宮城紀夫弁護団長は、外務省沖縄事務所で騒音規制措置を順守させられない日本政府の弱腰の姿勢を痛烈に批判し、沖縄事務所の存在意義に疑問を投げた。





 沖縄事務所が橋本龍太郎首相(当時)の肝いりで設置された目的は(1)米軍の運用に関する県内市町村の意見や要望を本省に伝える(2)在沖米軍との交渉に当たる-こととされた。





 米軍による事件・事故、米軍機の深夜、早朝の離着陸など県民に被害が出るたびに、市町村や政党、市民団体は抗議や申し入れをしている。沖縄事務所が受けた抗議件数は、2014年は97件、15年は152件。米軍属による女性暴行殺害事件や飲酒運転事故などが相次いだ16年は241件に上った。





 だが、その後の「成果」は一向に見えない。大使はその都度、米軍トップの四軍調整官らに再発防止や綱紀粛正などを申し入れているとするが、実効性のある解決策が示された試しはない。それどころか、米軍問題を話し合うために大使、在沖米軍トップ、知事で構成する連絡協議会は1999年に発足したが2003年から休止したままだ。





 11年に大使を務めた樽井澄夫氏は地位協定の抜本改正を望む声に「見直すべき点、改善すべき点が当然ある」と改正の必要性に言及した。





 しかし、日本政府には米側へ改正を求める考えはない。対米従属一辺倒の政府方針の下、「全権」を付与された大使の限界が露呈しているのが現状で、20年の節目に改めて存在意義が問われそうだ。(政経部・大野亨恭)









歴代大使に不適切発言も 激高・逆ギレで反発買う





 沖縄の声を伝えるはずの外務省沖縄事務所の歴代大使や副所長の不適切発言が県民の強い怒りを招いたケースもたびたびあった。





 3代目大使で、橋本龍太郎元首相のいとこに当たる橋本宏氏は2001年4月、名護市上空での米軍戦闘機訓練の中止を求めた市議団の「独立国かが問われている」との指摘に激高。独立国だとの認識を示した上で「私は聞く耳持たん。悪いけどやめてください。嫌だ」などとまくし立てた。橋本氏は03年の離任会見でも「米軍関係者1人当たりの犯罪発生率は県民よりも低い」と述べ、県民の強い反発を買った。





 過失致死容疑で送検された在沖米空軍軍属の男性が「公務中」を理由に不起訴になったことを受け、2011年4月に県議から日米地位協定の改定を求められた伊従誠副所長(当時)は「私に言われてもしょうがない。地位協定を変えろということを公務員に言われても、それは違う」と「逆ギレ」。不平等な地位協定で長年苦しむ県民の実情に思い至らない外務省幹部の本音が表面化した形で、県内からは「大使が沖縄に置かれた意味がない」と事務所の存在意義を問う声が上がった。





 最近では11代目の水上正史大使が米軍属による女性暴行殺害事件の抗議を受け、人命を守る責任は「県にも県警にもある」と責任転嫁ともとれる発言をし、猛反発を買った。外務省はこの発言を遺憾とし、大使を注意した。





 


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