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発見に機動隊員も「ほんまや!」 沖縄・高江のオキナワキノボリトカゲ

  • 2016年12月12日
  • 10:34
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トラックが通るたびに風で揺れる草木につかまるオキナワキノボリトカゲ(手前)=1日午前10時50分、米軍北部訓練場N1ゲート付近の県道70号
トラックが通るたびに風で揺れる草木につかまるオキナワキノボリトカゲ(手前)=1日午前10時50分、米軍北部訓練場N1ゲート付近の県道70号

 東村高江の県道70号。米軍北部訓練場のヘリパッド建設に、土砂を積んだトラックが向かう。工事現場の出入り口、N1地区ゲートから約80メートル。記者の足元をモスグリーンの小さな体が横切り、路肩の草陰に消えていった。そっと近づいてみると…オキナワキノボリトカゲだ。(学芸部・榮門琴音)





 体長約15センチ、つぶらな瞳に長いしっぽ。「アタクー」や「グリーンバンバン」など呼び名も多いなじみのトカゲだが、乱獲や生息地の破壊で数が減っているという。隣にしゃがみ、地上40センチからトラックの往来を見つめてみた。





 トラックが通るたび、排ガスを含んだ風が草木を揺らす。トカゲは道路側を向いて小枝につかまり、頭を左右にカクカクと振る。周りの葉は飛び散った泥で灰色の斑点模様。マスクの中までほこりっぽいが、トカゲはその場を離れない。





 「何かおるんですか?」





 機動隊員が話し掛けてきた。緊張が続くゲート付近でかれこれ15分、トカゲよろしく地面にへばりついているのだ。目につくのも無理はない。





 「トカゲがいますよ」





 指さした先を隊員がのぞき込む。





 「ほんまや!」





 その場の空気が一瞬、和らいだ気がした。









 目の前に来た別の隊員にも知らせてみる。記者に鋭い視線を向けるだけで、トカゲに興味はなさそうだ。





 N1地区の工事が始まった7月以降、多い日には約120台のトラックが行き交う。「ドドドド」。足元で感じる音や振動は、より大きい。耐えかねたのか、トカゲが先に後退する。揺れる草木をかいくぐり、あっという間に見えなくなった。半時間が過ぎていた。





 ヘリパッド建設で足元の動物たちはどうなるのだろうか。高江の森を知るチョウ類研究者の宮城秋乃さん(38)は「はっきりとした影響を人の目で見るのは難しい」と話す。





 森の木が切られ、地表がむき出しになる。直射日光が降り注ぎ、気温が上がる。そこから暖かい風が森に入り込み、湿度を奪う-。宮城さんは「影響が連鎖的に広がる」と説明する。





 オキナワシリケンイモリやリュウキュウヤマガメなど湿度を必要とする多くの動物はすみづらくなり、追いやられた生息地で餌やすみかの競争が激化するという。木や清流に依存する鳥やチョウも同じだ。





 あのオキナワキノボリトカゲの日常を想像する。ヒトに表情があるように、状況によって体の色を変え、朝には体温を上げるために日光浴をする。でも、ヒトのように泣(鳴)くことはできないという。この声なき生き物は環境省の絶滅危惧2種に指定されている。


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