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公明陸上案、辺野古唯一論に一石 「化学反応」期待する沖縄県

  • 2016年10月24日
  • 05:30
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米軍キャンプ・シュワブ
米軍キャンプ・シュワブ

 沖縄県の米軍普天間飛行場返還問題を巡り、公明党本部と県本部がキャンプ・シュワブ、ハンセンのいずれかにヘリパッドを建設する県内陸上案を検討対象の一つとしていることが明らかになった。県内移設に反対する声は根強く、過去、陸上案は上がっては消えた。一方、翁長県政では実現性とは別に、安倍政権が繰り返す辺野古唯一を突き崩す「ありの一穴」になり得るとの期待感も漂う。(政経部・大野亨恭、銘苅一哲、東京報道部・上地一姫)





 「本当は『辺野古が唯一』ではないのかもしれないと、国民が考えるきっかけになるのではないか」。県幹部は、知事が会見で公明案を「全否定」しなかった理由をこう説明した。





 県にとり、現段階での公明の「県内移設案」は、日本維新の会が提案している馬毛島(鹿児島県)への訓練移転案と「同じレベル」(県幹部)との認識だ。「今、県が賛成できるかどうかは関係ない」。政府が沖縄の民意を顧みない状況の中、県幹部は、今は計画の賛否を問わず、辺野古以外の案が提示されることを重視する。





 一方、県には、「あらゆる手法」で新基地建設を阻止する知事の考えと、辺野古以外の「代替案」が米国に“化学反応”をもたらすのではないか、との期待感がある。





 実際、米側には工事の遅れを懸念する声が出ている。最高裁判決後も複数の知事権限を行使して工事が止まる中、別の案が日本側から出てくれば、米国内に「辺野古断念」という想定外の選択肢が生まれるのではないか、との期待だ。





 だが、防衛省関係者は「米側は公明案をのまない」と断言する。現行案よりも基地内移設の方がより集落に近いことから、「知事も陸上案を認められるはずはない」と指摘。さらに、公明が与党連立パートナーである点に触れ、「党の案として本当にまとまるのか」と実現性をいぶかしむ。





 では、公明がこの状況で県内基地への移設案を検討した狙いは何か。公明関係者は、検討案は結論ではなく、政治の「調整機能」を重視する中で検討対象の一つとなったと説明する。





 県本は辺野古の埋め立て反対、県外・国外移設の姿勢を堅持している。一方、国と県の主張が相いれず、最高裁で県が敗訴した場合、政府が埋め立てを進めることになる。





 従来から県本が「ゼロか百かでは問題は解決できない。裁判ではなく話し合いの中で落としどころを見つけるべきだ」と指摘する中、訴訟にまで発展した現状を憂慮し“第三の案”として党内で浮上したのが県内陸上移設案だった。





 ただ、県内陸上移設を採用した場合は、県外・国外移設から政策を転換することになる。県本幹部は「現時点で主張を変えるつもりはないし、議論もしていない。だが、問題をなんとか解決したいというジレンマはある」と本音を明かした。





 一方、県外・国外移設を公約とする知事も、仮に公明案が日米間で正式に議論の俎上(そじょう)に載ったときは、賛否の判断を求められる。





 県幹部は「県内陸上案を容認できるかは県民や支持者、議会との話し合いが必要だ」としつつ、含みを持たせた。「“化学反応”に期待する今、県に公明案をつぶすメリットはない」


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