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高江・米軍ヘリパッド着工から3カ月 負担減へ世論PR狙う政府

  • 2016年10月22日
  • 15:00
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高江集落と北部訓練場(ヘリパッドはN-1地区、G地区、H地区、N-4地区)
高江集落と北部訓練場(ヘリパッドはN-1地区、G地区、H地区、N-4地区)

 沖縄防衛局が東村高江周辺の米軍北部訓練場内で四つのヘリパッド新設工事に着手して22日で3カ月となった。政府は年内の訓練場返還を明言し、12月までに全工事を完了させる構えだ。一方、現場では表示番号がない法令違反のダンプが砂利を搬送、警備に当たる機動隊員が市民に「土人」と差別発言を浴びせるなど、12月の完成に向けなりふり構わず工事を強行する国の姿勢が際立っている。(政経部・大野亨恭、安田桂子)





 政府は、米軍北部訓練場の過半、約4千ヘクタールを年内にも返還する考えだ。菅義偉官房長官は8日、知事公舎で翁長雄志知事と会談し、返還の条件であるヘリパッドが12月中に完成する見通しであることを明かした。





 県は早期返還を求めており、菅氏から方針を伝えられた知事は記者団に「歓迎」と述べた。だが、「政府に工事を正当化する言質を与えた」などと批判が上がり、知事は翌9日に発言を事実上撤回した。





 訓練場の返還を求める一方、オスプレイ配備撤回を要求する立場からヘリパッド建設は「容認できない」とする翁長県政の“アキレスけん”を政府が狙った形となった。政府が返還時期を早める背景には、4千ヘクタールという「目に見える負担軽減」を国内世論にアピールする狙いがある。





 防衛省関係者によると、最初に着手したN1地区の2カ所は既に造成作業を終えた。芝張りなど最後の仕上げ作業を残すだけで、完成は間近だという。G、H地区の2カ所もヘリパッド用に既に木々は伐採しており、赤土対策をした後、造成工事に入る見通し。関係者は「年内完成は間違いない」と自信を見せる。





 沖縄防衛局は17日、返還後の引き渡しに向けた返還実施計画案を県に正式に提出。不発弾や土壌汚染などの除去期間を通常の2~3年より短い「1年~1年6カ月程度」とし、早期の引き渡しを求める東、国頭両村への配慮を見せた。





 一方、県は時期ありきではなく丁寧な支障除去を求めており、11月中旬をめどに知事意見を提出する運びだ。









■作業手続きの根拠あいまい 現場管理ずさん





 ヘリパッドの年内完成を目指す政府は、作業の法的根拠を明確に説明せず、ずさんな手続きで建設を強行してきた。





 沖縄防衛局は9月13日、陸上自衛隊のヘリ2機を使い、大型重機などを北部訓練場へ搬入。稲田朋美防衛相は防衛省設置法4条19号に基づく対応と説明したが、この条項は米軍基地の提供や使用条件の変更、返還に関する事務を防衛省の所掌と規定しているにすぎない。翁長雄志知事は稲田氏との会談で「法的根拠もはっきりせず容認できない」と批判した。





 建設予定地に砂利を運ぶダンプカーには相次いで法令違反が見つかった。表示を義務づけられたダンプ表示番号がなかったり、後方バンパーが基準より短かったりした。稲田氏は「一部の車両で表示番号や最大積載量の表示が見えにくかった」と認め、受注者に改善を求めた。だがその後も表示番号が見えにくいダンプの使用が確認されている。





 また、沖縄防衛局が本来必要な沖縄森林管理署の許可を得ずに立木約60本を伐採したことが明らかになっているほか、地域住民らは県警が米軍北部訓練場ゲート前の県道70号で交通規制や検問を繰り返すのは「違法」として禁止を求める仮処分を那覇地裁に申し立て、審尋が続いている。





 政府の手法が疑問視される中、工事は急ピッチで進み、建設現場周辺では抗議する市民と警備する機動隊員らの間で緊張が高まっている。





 今月18日には機動隊員2人が抗議行動をする市民に「土人」「シナ人」と差別発言をしていたことが明らかになり、池田克史県警本部長が20日、「県民に対し深くおわび申し上げたい」と謝罪する事態に至った。





 一方、県警は同日、侵入防止フェンスを設置していた沖縄防衛局職員にけがをさせたとして、傷害と公務執行妨害の疑いで沖縄平和運動センターの山城博治議長を逮捕するなど、工事を巡り双方の対応が激化することが懸念されている。


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