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<防衛白書>沖縄の地理的優位性を強調 辺野古は「唯一の解決策」

  • 2016年8月3日
  • 12:52
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防衛白書が示す日本周辺の安全保障環境
防衛白書が示す日本周辺の安全保障環境

 【東京】中谷元・防衛相は2日の閣議で、2016年版の防衛白書を報告した。昨年版と比べると沖縄について「朝鮮半島や台湾海峡といった潜在的紛争地域に近い位置にあると同時に、これらの地域との間にいたずらに軍事的緊張を高めない程度の一定の距離をおいている」などと加筆し、「地理的優位性」を訴える内容になった。新基地建設については、埋め立て承認取り消しをめぐる訴訟や和解などの経緯を明記した。(1面参照)

 これまでも沖縄は、安全保障上極めて重要とされてきた。沖縄本島について「戦略的要衝として重要性を有する」とし、中国など大陸との位置関係からも「戦略的に重要な目標となる」など優位性を列挙した。

 垂直離着陸輸送機MV22オスプレイについては配備経緯年表の代わりに「オスプレイの有用性」という表を掲載。地図やグラフで、CH46ヘリコプターより優れている点を挙げ「これまで国内において安全に運用されている」とした。

 辺野古については、「唯一の解決策」とする一方、「丁寧に説明し、県側の理解を得るべく粘り強く取り組む」と政府の立場を説明した。和解条項に基づき協議は進めるとあるが、県が辺野古以外の移設先を探すよう根本的な協議を求めていることなどは触れられていない。

 日米地位協定については、元米海兵隊員で軍属による暴行殺人事件を受け軍属の地位の扱いを見直す共同発表をしたとし、「個別の措置の詳細な発表を目指し作業を行う」と掲載。自衛隊については、航空自衛隊那覇基地に第9航空団を、与那国島に沿岸監視隊を新編したことを紹介した。陸上自衛隊の先島諸島への配備方針も改めて示された。



[解説]

海兵隊の役割 より鮮明に



 2016年版防衛白書は、中国の軍事動向について「強く懸念」すると指摘し、北朝鮮の核・ミサイル開発の進展を「国際社会の安全に対する重大かつ差し迫った脅威」と批判を強めた。沖縄の地理的優位性や海兵隊の役割もより鮮明にした。県内では元米海兵隊員で軍属による暴行殺人事件を受け、海兵隊撤退論が強まる。その動きに対抗し、白書は周辺諸国との危機感を醸成し、海兵隊の有用性をアピールすることで、辺野古新基地建設を含め米軍の駐留意義を広める狙いがみえる。

 白書では沖縄の利点を、「朝鮮半島や台湾海峡といった潜在的紛争地域に近い位置にあると同時に、いたずらに軍事的緊張を高めない程度の距離をおいている」と加えた。中谷元・防衛相は「沖縄の地理的優位性について国民により丁寧に説明することが重要と考えた」と説明した。

 北朝鮮は安保理決議に反して核実験やミサイル発射を繰り返す。中国海軍艦は初めて接続水域内を航行した。航空自衛隊の戦闘機による中国軍機への緊急発進も急激な増加傾向にある。

 白書は日本を取り巻く環境や国防政策を国民にわかりやすく説明するものだ。ただ政府の主張を明記するだけにとどまる。森本敏元防衛相は離任前に普天間の移設先について「軍事的には沖縄でなくても良いが、政治的に考えると最適の地域だ」と語った。北朝鮮で有事が発生した際、長崎県佐世保市を母港とする強襲揚陸艦が沖縄まで南下し、再び北朝鮮へ向かわなければならないなど、根拠の乏しさはたびたび指摘されるがその点への記述はない。

 沖縄で米軍の安定的な運用を確保したい国にとって、他国の脅威のトーンを強め、沖縄の地理的優位性を強調することは、基地撤退を求める沖縄の声を全国的に薄めることにもつながる。だが、米軍の存在意義や必要性をアピールした結果、ことさらに近隣諸国を刺激し国民の不安をあおる危険性と表裏一体だ。(東京報道部・上地一姫)



(写図説明)防衛白書が示す日本周辺の安全保障環境


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