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野田首相の原発新設困難発言に立地首長困惑 高経年炉も行方左右か

  • 2011年9月6日
  • 15:09
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運転開始40年を超えている日本原電敦賀原発1号機(福井県、写真左端)と3、4号機増設の予定地(右側)。「新規建設は現実的に困難」「寿命が来た原発は廃炉」との首相の方針に大きな影響を受けそうだ=6月27日、本社ヘリから撮影
運転開始40年を超えている日本原電敦賀原発1号機(福井県、写真左端)と3、4号機増設の予定地(右側)。「新規建設は現実的に困難」「寿命が来た原発は廃炉」との首相の方針に大きな影響を受けそうだ=6月27日、本社ヘリから撮影

 今後の原発政策をめぐり野田政権は、停止中の原発は安全確認できれば再稼働させる方針を示しつつも、長期的には菅直人前首相の掲げた「脱原発依存」の路線を受け継ぐ構えだ。野田佳彦首相は「新規建設は現実的に困難」と明言。“寿命”を迎えた原発に厳格に対応する点でも関係閣僚の認識は共通する。日本原電敦賀原発3、4号機(福井県)の増設や、関西電力美浜原発の運転延長、リプレース(置き換え)などに影響を与えるのは確実で、立地の首長は危機感を持って行方を注視。脱原発を求める住民や地方議員からは評価の声も上がっている。

 「原発は当面必要で、リプレースして維持していく必要がある」。河瀬一治敦賀市長は2日、記者団にこう強調し、敦賀3、4号機増設の計画継続を求めた。1日に会見した山口治太郎美浜町長も、原発の再稼働とリプレースを求める町の方針を発信していきたいと説明。新規建設が難しいとする中にリプレースが含まれるのかどうかを確認する意向だ。

 河瀬市長は立地自治体の考えを伝えるため、9月中にも鉢呂吉雄経済産業相らと直接会いたいという。

 また、敦賀市会の北條正・副議長は「(新増設の在り方を検討する)エネルギー基本計画見直しを議論する前にそんな話が出てくるのは困る」と反発。「ここまできて中断はあり得ない。ご破算になれば、敦賀の雇用や生活、財政は非常に苦しくなる」と語った。

 これに対し、同市会で脱原発の意見書を提案した今大地晴美市議は「福島の事故後に新規建設は無理だ」と首相の方針に同調。「原発がなくても市民生活や福祉の向上、まちづくりなどに知恵を出していくのが地方自治の仕事」と指摘する。

 6月に原発からの脱却を求める意見書を全会一致で可決した小浜市会の池尾正彦議長も長期的な政策の方向性を評価。「寿命が来た原発を廃炉にする」との首相の考えに関しても「意見書でも『30年を超す高経年化原発の運転延長を認めない』としており、理解できる」と述べた。

 脱原発を求めてきた住民には、一定の評価とともに、政策のあいまいさを指摘する意見もある。

 脱原発グループ若狭連帯行動ネットワークの松下照幸さんは「新規」とか「寿命」といった意味があやふやで、敦賀や美浜でのリプレースも明確に対象に含めるべきだと主張。「サヨナラ原発福井ネットワーク」をつくって活動する元越前市議の山崎隆敏さんは、40年超の原発の廃炉を訴え、何年後に原発をゼロにするのか政治レベルで議論を活発化させるべきだと語る。

 県は、当面の課題である停止中の原発の再稼働をめぐり、これまでの県の要請が反映されるかを冷静に見極める姿勢。西川知事は2日、福島の知見を安全対策に反映させるべきだとした上で「しっかり方向性を出し、エネルギー供給に支障のないようにしてほしい」と新政権に注文した。

 県内の電力事業者は、定期検査を終えている原発の再稼働を目指し、前提となるストレステスト(耐性評価)の作業を進めている。関西電力は、国による評価結果の確認を経て、地元にも丁寧に説明して再稼働にこぎ着けたい―と強調。福島の事故後に実施した安全対策も「従来以上に慎重に安全性の確認が行われている」とアピールする。日本原電も、エネルギー政策は経済、産業や国民生活にかかわる極めて重要な問題と訴え、今後の政策の検討を「データを基にしっかりとした議論が必要」と望んだ。


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