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定検中の原発、再稼働は霧の中 福井の6基停止中、国の回答焦点

  • 2011年6月11日
  • 14:54
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福井県内の商業原発の運転状況と次回の定検予定
福井県内の商業原発の運転状況と次回の定検予定

 東京電力福島第1原発事故を受け、定期検査で停止中の福井県内原発は再稼働の見通しが立たないままだ。夏場の電力供給が逼迫(ひっぱく)する恐れから関西電力は2011年6月10日、管内の企業や家庭に対する節電要請に踏み切った。関電と政府は停止中の4基の同年7月までの再稼働を目指すが、県や立地市町は高経年化や地震の影響が明確にされていないとして、再稼働は認めない姿勢を崩さない。「ボールは国にある」(県幹部)といえ、再稼働するには国が地元の要請に責任を持って応えるかどうかが焦点となっている。

 県内の商業炉は6基が定検などで停止中。このうち関電の美浜1、3号機、大飯3号機、高浜1号機は既に検査作業を終えていたり、夏までに再稼働の予定だった。受電する日本原電敦賀2号機もトラブルで予定外の停止。関電が予測する8月の最大電力需要3138万キロワットに対し、再稼働が遅れれば200万キロワットの電力が不足する計算になる。

 県の櫻本宏安全環境部企画幹は10日、記者団に対し「電力供給よりも県民の安全安心の確保を最優先に考えている。安全確保の確証が得られない限り、再稼働は認められない」と述べ、県の方針に変わりはないと強調した。

 停止中のプラントの再稼働をめぐり県は、暫定的でも新たな安全基準を示すよう繰り返し国に求めてきた。西川知事は5月後半、県内の立地市町長と順次意見交換し、国の対応が不十分なら再稼働は認められないとの方針でほぼ一致している。

 政府は7日、国際原子力機関(IAEA)に提出した事故報告書で、県が求めた安全基準に相当する内容は盛り込んだものの、特に重視した高経年化や地震の影響に関して「さらなる調査が必要」などと記しただけ。県は「浜岡原発以外の原発に安全宣言を出した合理的な判断根拠も示されていない」とも受け止め、立地の首長も再稼働には慎重だ。

 県原子力安全専門委員会の中川英之委員長は「福島原発で一体何が起き、想定していた範囲内か、範囲外か、事実としての切り分けができていない。福島の教訓を県内の原子力の安全性にきっちり反映できない」と県の考えを代弁する。

 これに対し経済産業省原子力安全・保安院の山本哲也原子力発電検査課長は「地震による損壊はなく、高経年化の影響もなかったと推定される」と説明。浜岡原発に関しては「(巨大地震発生の)切迫性の問題。他の原発はすぐ地震が来るかどうか分からず、その間に安全性を高めていく」とする。

 ただ、県内の原発を統括する森下泰地域原子力安全統括管理官は、今のところ福島の事故が高経年化と関係するデータはないとしながらも「県の検証委員会にしっかり説明することが必要」と話す。「安全対策のスケジュールや今後の原子力政策の在り方を示さないと立地自治体は納得できないのでは」ともみる。

 今後、県が指摘する課題に、国は踏み込んだ回答を示すのか。折しも、22日には6月定例県会が始まり、原発問題への対応は最大の論点となる。最大会派の自民党県政会は西川知事と歩調を合わせる姿勢。電力需要期ををにらみ、7月前半が大きなヤマ場との見方も出ている。


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