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原発の立地条件の違い反映した対策を 美浜町の山口治太郎町長

  • 2011年5月25日
  • 13:41
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インタビューで「福島第1以外の原発に関する知見も示されるべきだ」と訴える山口町長=福井県美浜町役場

 福井県美浜町の山口治太郎町長は、東京電力福島第1原発事故を受けて関西電力が実施した美浜原発の緊急安全対策は十分とはいえず、現段階では定期検査中の1、3号機の再起動には同意できないと言明。福島第1だけでなく女川原発(宮城県)、東海第2原発(茨城県)など地震や津波の影響を受けた全ての原発に関する知見が示されるべきだと指摘し、1、3号機の再開を認める判断材料になるとの考えを示した。

 -福島では依然として事故収束の見通しが立たない。政府、東電の対応をどうみるか。

 「1号機の海水注入の中断が今になって明らかになるなど、初動対応の状況すら全てが分かっていない。(1~3号機の原子炉を安定状態にするまでに)6~9カ月という工程が示されているが、今の対応でその通りいけるのか疑問だ」

 -国は電力事業者の緊急安全対策を「適切」と判断した。一方、西川知事は暫定的な安全基準や高経年化の検証を求めている。

 「国が求めた対策は福島第1だけの知見を反映したもので、それだけで安全というのは短絡的。女川原発から東海(第2)原発まで安全に停止したとされる他の原発の知見も含めた方針が示されて、初めて町民に理解を求めることができる。それが示されていない段階で、停止中の原発の起動には同意できない」

 「例えば、女川原発の周辺は何日間も交通が遮断されていた。もし事故が起こっていたら、福島のように放水車は入れなかった。道路状況や海抜など立地条件は個々の原発で違いがあり、生かすべき知見も変わってくる。全ての状況を示してもらわないと分かってこない」

 -町会からは運転中の2号機を止めるべきだとの意見も出ている。

 「安定的な送電は重要。昨年度に引き上げられた基準地震動(想定される最大の揺れの強さ)750ガルに合わせた安全確認はされてきている。相当な議論をして定められた基準であり、安全でないという新しい知見が出てこない限り、動いている原発まで止めるべきだとは考えていない」

 -美浜1号機は運転40年を超えている。高経年化対策をどうみている。

 「事故では今のところ、高経年化が被害に影響したとはされていない。設計思想が古かった点が原因となれば、美浜原発の運転もあらためて考えないといけない」

 -菅直人首相は増設計画の見直しを表明した。美浜1号機の後継炉問題にも影響する可能性がある。

 「新エネルギーを基幹電源にするとの考えのようだが、これまでエネルギーの安定供給の観点から十分検討された上で原発が推進されてきたはずだ。そうした経緯が加味されているのかどうか分からない」

 「現状を踏まえれば、原子力が基幹電源でなくなるとは考えられない。関電の判断時期がずれこむのはやむを得ないが、町内で立地を検討する状況は変わらないと思う。1号機の運転延長期間は(予定通り)秋には回答が示されると考える」

 -橋下徹大阪府知事の「脱原発」発言にみられるように、電力の供給地と消費地で意識差が顕在化している。

 「震災が起きてエネルギー不足が復興や経済活動に与える影響が懸念される中、そういう発言をする意図は何か。原発の立地は一朝一夕に成り立ったものではない。住民の理解を得てエネルギーを送る努力をさせてもらっている。消費地のトップとしてそういう苦労を知っていただいているのだろうか」


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