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複雑な広域避難計画、渋滞など課題 動きだす高浜原発3、4号(3)

  • 2016年1月21日
  • 07:40
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 「避難道は1本しかなく、くねくねした山道。大雪が降ったらどうなるのか」

 関西電力高浜原発(福井県高浜町)から5キロ圏内の高浜町内浦地区では、万一の原発事故時に実際に避難できるかどうかを憂慮する声が多く聞かれる。船やヘリの避難手段も確保されるというが、気象条件にもよる。さらに原発から30キロ圏の住民が一斉に避難したら、車の渋滞が発生して逃げ遅れるのでは…。

 「県は『段階的避難について理解促進する』としているが、住民の理解が進んでいるとは感じない」。昨年12月の県会一般質問で細川かをり議員(無所属)は、自作したイラスト入りの住民避難の解説パンフレットを示しながら、難解な避難計画を県民にかみ砕いて説明するよう求めた。

 東京電力福島第1原発事故後、重大事故時の災害対策の範囲は30キロ圏に広がった。5キロ圏住民は放射性物質の放出前にすぐに避難。5〜30キロ圏は放射線量の実測値に応じ、国が▽屋内退避▽即時避難▽1週間程度以内に一時移転―の対策や範囲を決める。「段階的避難」や「2段階避難」といわれる方法だ。

 高浜原発の場合、30キロ圏内の小浜、高浜、おおい、若狭の4市町の住民避難は県内避難先を基本としながらも、避難経路や避難先施設の損壊状況などによっては県外避難先の兵庫県に逃げる。ほかに5〜30キロ圏の避難時の安定ヨウ素剤配布、放射能の汚染検査など、避難計画はかなり複雑な内容。住民が本当に理解して行動するには周知はまだまだ足りない。

 しかも、30キロ圏内に12万人を抱える京都や、滋賀を含めた3府県の広域避難計画がまとまったのは昨年12月。3府県合同の住民避難訓練は行われておらず、検証しないまま再稼働することになる。反対派からは「広域避難計画には分からないところが多く、本当に逃げられるとは思えない」と非難の声が相次ぐ。

 県が14年に公表した避難時間の推計では、舞鶴若狭自動車道の舞鶴東インターチェンジ周辺で渋滞を予測。国は「警察による交通誘導や信号操作で対応する」というが、対策の実効性は未知数だ。内閣府の担当者からは「さらに渋滞対策が取れるかどうかが課題」との声も漏れる。

 12月県会の議論では、高浜、若狭、おおい3町と避難先の兵庫県の市町との間で災害時相互応援協定が結ばれていない問題も浮かんだ。「兵庫県の試算では、自分たちの方にも放射性物質が飛んできて、対策を取らなければならなくなる可能性がある」と高浜原発5キロ圏の住民を受け入れる同県三田市の本荘敏和総務部次長。避難対策の複雑さに頭を悩ませる。

 仮に避難がうまくいったとしても、「一時避難の想定は長くて1〜2カ月」(県危機対策・防災課)。その先は、状況に応じてその都度協議する方針だ。「避難後の生活はどうなるのか」といった心配は尽きない。広域避難の課題は山積したままだ。


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