国の原子力委員会は20日、原子力損害賠償制度専門部会を東京都内で開き、制度見直しに向けた検討課題を整理した。委員を務める福井県の西川一誠知事は、国が最終的に全責任を持つ仕組みを法律上、明確にする必要性を訴えた。
西川知事は、政府が2014年に閣議決定したエネルギー基本計画で、原発を国策として使い続ける方針を示していると強調。安倍首相が「災害時に国民の生活、身体、財産を守るのは政府の重大な責務」と発言している一方、現行の原子力損害賠償法が「政府は、事業者が損害賠償するために必要な援助を行う」との表現にとどまっていると指摘した。
その上で、「国が最終的に全責任を持つ仕組みを法律上明確にし、原子力災害や補償とはどういうものかを他の災害とのバランスを考えつつ定義することが、国民全体の原子力に対する信頼や理解につながる」と語った。