
関西電力幹部と福井県美浜町民が意見交換する町原子力懇談会は18日夜、同町の関電原子力事業本部で開かれた。町民から美浜原発3号機の早期再稼働や、廃炉が決まった同1、2号機の廃炉ビジネスに地元企業が参入できるよう、関電の積極的な取り組みを求める声が相次いだ。
意見交換は非公開。関電の議事録によると、八木誠社長が美浜3号機の審査に、社内体制を増強して臨んでいる点を説明。原発のリプレース(建て替え)を望む声に対し「リプレースをしたい思いは変わっていない。将来にわたり原発を重要な電源として活用するには、おのずと必要になる」と、あらためて積極的な姿勢を示した。
また電力自由化の影響に関しては「高浜原発3、4号機が稼働すれば燃料費が安くなる。4月以降早い段階で電気料金を引き下げたい」と述べた。
美浜1、2号機の廃炉ビジネスについて八木社長は会合後、報道陣に「廃炉は息の長い作業。地元の方と一緒になってどういう分野の仕事ができるか考えていく」と述べた。
懇談会は2004年8月に美浜原発3号機で起きた蒸気噴出事故を受け翌年から開かれており11回目。町民側は地元区長や商工会、観光協会代表ら16人、関電からは八木社長、豊松秀己副社長ら幹部12人が出席した。山口治太郎町長もオブザーバーとして加わった。