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分散保管継続、根本解決に程遠く 福島第1原発事故の指定廃棄物

  • 2016年1月18日
  • 10:11
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指定廃棄物の処分場候補地
指定廃棄物の処分場候補地

 東京電力福島第1原発事故で発生した指定廃棄物について、環境省は宮城など5県内の各市町村での分散保管を継続する方針を固めた。地元の反対が強かった処分場建設は事実上見送られるが、分散保管には安全面での課題も多く、自治体関係者からは「根本的な解決には程遠い」と失望の声も上がる。

 ▽振り出し

 環境省は、指定廃棄物の発生量が多く既存の施設では処理しきれない宮城、茨城、栃木、群馬、千葉の5県に、堅固なコンクリートで覆う処分場を新設する方針を2011年11月に決定した。

 だが、候補地とされた宮城県の栗原市、大和町、加美町の3市町と栃木県塩谷町では、住民の反対などで詳細調査に入れないまま、昨年末までに候補地の「返上」を相次いで表明した。千葉市も調査の受け入れを拒否。東日本大震災から5年の節目を間近に、問題は振り出しに戻った。

 一方、茨城県の橋本昌知事は昨年12月24日、県内市町村のごみ処理場や下水処理場などで保管している現状のままとするよう国に要望した。

 環境省は当初、市町村での保管は、処分場が整備されるまでの一時的な対応として長期化を想定していなかった。しかし、処分場建設が行き詰まったことで「分散保管を認めるしかない」(幹部)との判断に至った。

 環境省は近く茨城県に分散保管を容認する考えを伝える。一方、候補地を提示済みの宮城、栃木、千葉の3県では、詳細調査などを無理に進めないことで、処分場建設は事実上断念することになる。

 ▽長期化懸念

 環境省の方針転換に対し、処分場候補地とされた地域も含め、関係自治体には反発や混乱が広がっている。

 宮城県登米市の担当者は「農家などへの仮置きは、あくまで一時保管のはずだった。無期限に延長するのは認められない」と分散保管が長期化することを懸念。処分場建設に反対する栗原市の住民団体会長の菅原敏允さん(83)は「1県に1カ所の処分場を造る計画自体、間違いだらけの対応だった。住民がこれ以上、振り回されることは許されない」と訴えた。

 加美町の猪股洋文町長は「当分の間、今ある場所に保管するのはやむを得ない」としながらも、「遠くない将来、最終的な処分先や期限などをはっきり示すべきだ」と注文を付けた。

 指定廃棄物のうち、ごみ焼却灰や下水汚泥は施設内で管理されているが、稲わらは屋根のない仮置き場で保管されているケースが多く、豪雨による流出や破損など安全性の問題が指摘されている。このため、環境省は仮置き場を集約したり、屋根や壁を設置したりする対策に取り組む方針だ。

 ある環境省幹部は「5県で一気に進めるのは難しいが、道筋を付けて少しずつ解決していきたい」と話した。


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