
北陸電力の金井豊社長と久和進会長は6日、新年あいさつのため、福井新聞社を訪れて吉田真士社長らと懇談した。金井社長は志賀原発2号機について、あらためて「ことし中にしっかりと再稼働の道筋をつけたい」と強調。また経営効率化の取り組みの一つとして、火力発電の燃料となる石炭の輸入コスト削減に努める考えを示した。
志賀原発2号機の再稼働の是非をめぐっては昨年11月、有識者調査団の評価書案を他の専門家がチェックする査読会合が開かれた。今後、正式な評価書がまとまった後、原子力規制委員会の審査が本格的に始まる見通し。金井社長は「敷地内の破砕帯に活動性はないと認めてもらえるよう、しっかりとやっていく」とし、「当社の主張を補強する新たなデータを今、一生懸命採取している」と述べた。
志賀原発の停止が長引き厳しい経営環境が続く中、「東日本大震災前に比べて年間240億円以上の経営効率化を図っている」と説明。ただ、さらに「もっと深掘りしていく必要がある」とし、方策の一つとして輸入石炭の輸送コスト削減を挙げた。具体的には「現在、約6割の石炭を豪州から調達しているが、豪州より近いロシアやインドネシアからの調達を増やしたい。品質の良い豪州産と混ぜ、うまく運用していきたい」と話した。
4月の電力小売り全面自由化に向けては「コスト競争力はあると思っている」とした上で、深夜割引の時間帯を拡大したり、夏の需要の強いときに利用を控えると料金が割引になるデマンドレスポンス型料金を採用した新電気料金メニューを「1月中旬には公表できるだろう」と語った。久和会長は、自由化によって電気代の安さを追求するなら「まずは原子力を動かし、その上で電源が多いなら非効率なものを退出させるのが、自由化の本来のあるべき姿ではないか」と述べた。