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廃炉のパイオニア、コストと廃棄物扱い課題 ふげん運転終了(下)

  • 2003年3月31日
  • 17:32
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運転を終了し、10年後には解体が始まる見通しのふげん(右)。日本原電敦賀原発1号機(左奥)も同じ時期に廃炉を迎える。中央は敦賀2号機=福井県敦賀市明神町
運転を終了し、10年後には解体が始まる見通しのふげん(右)。日本原電敦賀原発1号機(左奥)も同じ時期に廃炉を迎える。中央は敦賀2号機=福井県敦賀市明神町

 「意気消沈なんかしていませんよ。今は折り返し点にしか過ぎない」。建設準備所時代から数えて十代目となるふげん発電所(福井県敦賀市)の古林俊幸所長(55)は、廃炉の課題を明確にして技術開発に取り組む考えを強調する。

 経済性ゆえに発電プラントとしての役目を終えたふげんが新たに担う使命は、廃炉技術のリード役。軽水炉と同じ水冷却タイプで廃炉となるのはふげんが初めて。規模もほぼ同じ。商業炉のモデルケースになると期待は強い。

 焦点は、合理的で効率性の高い方法に到達できるかだ。

 解体が実際に始まるのは十年後。使用済み燃料の搬出が終わってからだ。それまでに具体的な工程をまとめることになる。

 廃炉が決まった九八年からふげんでは、サンプリング調査などを通して放射能レベルごとの廃棄物量を把握。一方で、廃炉の工程を一貫して支える「廃止措置エンジニアリング支援システム」を開発してきた。三次元CADで解体作業をシミュレーションして、壊す前の検討段階で工事の要領が妥当か検証できる。

 コスト縮減には解体期間の短縮が重要だ。国のガイドラインが示す廃炉期間は「着手から三十年以内をめど」。核燃機構の菊池三郎敦賀本部長代理は「できるだけ早くしたい。半分程度で収めたい」と目標を掲げる。

 「いかに効率的に壊すか。リサイクルして廃棄物の発生量をどう抑制し、コストの問題とどうバランスさせるかが大きなポイント」と来馬克美県原子力安全対策課長は指摘する。

 「廃炉は、まだ解決すべき課題が少なくない分野。商業炉の廃炉の道しるべになるように期待する」。ふげんの運転終了式で栗田知事はこう結んだ。解体で発生する廃棄物の扱いがまだはっきりしないことを念頭に置いた発言だった。

 ふげんで見込まれる廃棄物は約三十七万トン。そのうち低レベル放射性廃棄物は約四千トン。電力業界は青森県六ケ所村に搬出しているが、研究施設は決まっておらず「数年内に候補地を選定していく」(中神靖雄敦賀本部長)段階だ。

 残りの廃棄物は大部分がコンクリートがれき。国は放射性物質として扱う必要のない「クリアランスレベル」を設けて一般的な産業廃棄物と同様に処分できるとする。しかし、処分するにしても再利用するにしても受け入れ先の反発が出るのは必至だ。県は「国と事業者が責任を持って解決してほしい」とする。

 要は、廃棄物の処分とリサイクルを国民が最終的にどう受け入れるか。解体撤去にもまた、国民合意という重い宿題が待っている。

 ふげんが解体に着手するのと相前後して、同じ敷地内にある日本原電敦賀1号機もちょうど廃炉を迎える。廃炉の枠組みづくりは、待ったなしの課題だ。

 二○一○年代、本格的な廃炉の時代が幕を開ける。パイオニアとしてふげんが向かう道のりは、決して平たんではない。

  ×  ×  ×

 新型転換炉(ATR)ふげん(福井県敦賀市)が二〇〇三年三月二十九日で運転を停止する。国家プロジェクトとして建設され、初臨界から二十五年。福井県内では初めて廃炉準備に入る。「日本の原子力政策を映す鏡」とも形容されたふげんの軌跡を追った。


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