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高浜仮処分、福井地裁二つの決定 リスクの受け止め方に違い 

  • 2015年12月26日
  • 08:55
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 新規制基準は「合理性を欠く」とした4月。「不合理な点はない」とした24日の異議審。関西電力高浜原発3、4号機の再稼働差し止め仮処分について福井地裁が行った二つの決定は、正反対の内容だった。1年に満たない間に、なぜこのような判断になったのか。両決定の要旨をみると、リスクに対する考え方の違いが浮かび上がる。

 再稼働差し止めを命じた4月の決定は、樋口英明裁判長(現名古屋家裁)が行った。同決定は、新基準の合理性とは、深刻な災害が「万が一にも起こらない」ことだと指摘した。例えば基準地震動(耐震設計の目安となる地震の揺れ)について、「想定を超える地震が来ない根拠はない」とし、その場合は炉心損傷に至る危険があるとした。

 これに対し、4月の決定を覆した林潤裁判長は、「原子炉施設に絶対的安全性を想定することはできない」との前提の上で、「危険性が社会通念上、無視できる程度にまで管理されているかどうか」で判断するべきだとした。基準地震動をはじめ個別の争点で、新基準に適合するとした原子力規制委員会の判断についてことごとく「不合理はない」としたのは、この考え方による。

 これは、今年4月に九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)の再稼働差し止め仮処分で新規制基準の合理性を認めた鹿児島地裁の決定などをみても同じ。福島原発事故後も原発に関する司法判断で、リスクを「万が一」にも許さない、とする考え方は大勢とはいえない。

 ただ、新基準が合理的との判断も、「社会通念」によっている以上、「現時点では」というただし書き付きのものではないか。リスクに対する最新の知見や、社会全体の受け止め方などから、合理的かどうかの判断には変化があり得ることになる。事業者や国などが安全確保につながる知見を常に積み重ねない限り、今回認められた「合理性」は崩れるといえる。
(田中禎浩、斧辰則)


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