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国と京都、広域避難計画で難航 中間貯蔵問題も 知事同意舞台裏 高浜原発再稼働(下)

  • 2015年12月24日
  • 08:00
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高浜原発周辺自治体
高浜原発周辺自治体

 関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)から30キロ圏に入る福井、京都、滋賀3府県の広域避難計画は12月18日、安倍晋三首相も出席した政府の原子力防災会議で了承された。ただ計画について3府県が合意したのは直前の16日。京都の場合、30キロ圏に福井の倍以上となる約12万人を抱えており、国との調整が難航したことが背景にある。立地地元ではないが、京都では使用済み燃料の中間貯蔵施設問題や、再稼働への「同意権」を求める議論がくすぶったままだ。

 広域避難計画の了承は政府の再稼働手続きの条件。3府県などでつくる国の地域原子力防災協議会でまとめた後、原子力防災会議で諮る流れ。7月時点で「検討がほぼ終わり、最終調整の段階」(内閣府の担当者)だったはずが、協議会開催はどんどんずれ込んでいった。

 「京都側は住民説明会を開き、それが終わるまで国の協議会には出席しない姿勢のようだ」。関係者が明かしたのは11月に入ったころだ。

 京都府は同月、30キロ圏内の府内7市町と共催し、高浜3、4号機の安全対策や防災対策に関する住民説明会を各地で開催した。全国で唯一、立地県以外で5キロ圏内に入る舞鶴市では2日に開かれ、約600人が参加。参加者からは「『絶対避難できる』という国の言葉で不信感が増した」などと不安の声も出た。

 この間、住民意見や市町の指摘が避難や防災にとどまらずテロ対策などにも及び、国は説明に追われ続けた。

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 使用済み燃料の中間貯蔵施設問題も火だねとなった。関電は11月20日、福井県の求めに応じ中間貯蔵施設の県外立地について、2020年ごろに立地地点を確定し、30年ごろに操業を開始する計画を公表したが、敏感に反応したのが30キロ圏に入る宮津市だ。

 関電の敷地が市内にあるため「候補地になるのではないか」と市民から不安の声が続出し、市長が市会で再稼働に反対を表明するまでに至った。

 結局12月11日、関電の八木誠社長が京都府庁を訪れ、府内は地元同意が得られていないとし、中間貯蔵施設を建設しない方針を山田啓二知事に伝えたことで収まった。

 関係者が気をもむ中、協議会は16日に開かれ、首相出席のため簡単に日程を動かせない原子力防災会議に、ぎりぎりで間に合った形だ。もし遅れれば、「避難対策もクリアになる必要がある」としていた西川知事の同意判断も年明け以降になる可能性があった。

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 再稼働の「地元同意」の範囲について明確な法的規定がない中、山田府知事は、高浜の再稼働をめぐり、府が「地元同意権」を持つかどうかを明確にするよう国に求めている。ただ、政府は「地元の理解」としか表現せず、実質的には立地県の同意をもって「理解」としている。「地元」と「同意」の問題は今後も議論を呼びそうだ。

 18日の原子力防災会議で安倍首相は、政府として再稼働のみならず原子力政策全般に責任を持つと強調した上で、こう指摘した。「福井県をはじめ関係自治体は、この方針を理解いただき、協力をお願いしたい」


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