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粘り強い交渉、政府覚悟問い続け 知事同意舞台裏 高浜原発再稼働(上)

  • 2015年12月23日
  • 07:45
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高浜原発をめぐる経過
高浜原発をめぐる経過

 関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の再稼働をめぐり、福井県が同意判断の前提として掲げたのは、原発の重要性に対する国民理解の促進など5条件だ。2基の安全性の確認に慎重な姿勢で臨んだ西川一誠知事は、5条件をめぐる国との交渉を10カ月近く粘り強く重ね、政府の「覚悟」も問い続けた。今月15日に運転差し止めを命じた福井地裁の仮処分決定をめぐる異議審の結論の日程(24日)が明らかになってから動きは急加速。最後に安倍晋三首相の発言を引き出して同意表明へ走った。

 「福島事故以降、国は原子力問題に対してやや引き下がった姿勢。再稼働がなぜ必要なのか、国の強い意思があいまいな状況だった」

 22日に同意を表明した知事は記者会見で、2月に5条件を国に提示した経緯をこう振り返った。

 国は先行していた九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)の地元同意手続きにならい、原子力規制委員会の審査で2基の基本設計が合格となった2月、福井県に再稼働の推進方針を伝達した。

 しかし県は「他県とは、安全監視を40年以上積み重ねてきた歴史が違う」とばかりに、工事計画などすべての審査を踏まえる必要があるとして突っぱねた。同時に、国に揺るがない原子力政策を求めるため、5条件を示した。

 県が同意判断に向けた動きを本格化させたのは、2基の規制委の審査が全て終わった10月以降。5条件をめぐる交渉も“もの言う立地県”として、政府への発言が力強さを増していく。

 5条件のうち使用済み燃料の中間貯蔵施設の県外立地に向けた国の関与は、政府が貯蔵能力の拡大を進めるアクションプラン(実行計画)を策定。電力事業者との協議会で計画を進行管理する仕組みをつくった。

 12月に入り、徐々に5条件が整いつつあったが、知事は3日に野瀬豊高浜町長から同意を伝えられた際も慎重な姿勢を崩さなかった。「40年超運転、廃炉などさまざまな課題が県としてある」と、原子力政策全般に対する政府の「覚悟」を求めた。

   ◆  ◆  ◆

 一方、県議会は知事が「(12月)県議会の議論を踏まえ判断する」と答弁したのを受け、閉会日の決議採決に向けどんどん審議を重ねていく。だが16日に、各会派が意見表明する注目の全員協議会で知事は急きょ欠席。「議会軽視」と非難が相次いだ。

 知事が批判覚悟でこの日、東京出張した面談相手は菅義偉官房長官だ。政府の「覚悟」を引き出すため、当初から知事の頭には官邸の存在があったとみられる。

 そして2日後の18日、高浜原発30キロ圏の避難計画を了承する政府の原子力防災会議。安倍晋三首相は「政府として総合的な(原子力の)政策対応を進める」と述べた上で、県が重視していた原発の国民理解に向け説明会を全国各地で行うと強調。知事は首相発言を評価するコメントを出した。

 その後、19〜21日の3日間で「官邸に行った段階で、かなりネジを巻かれたのでは」(ある県議)との声が聞かれるほど、集中的に県原子力安全専門委員会の報告書提出、林幹雄経済産業相の来県、現地視察などの手続きをこなし、22日の同意表明まで一気に駆け抜けた。

 異議審の結論が出る日程が分かってからの急展開。知事は「(司法は)別物」と自身の判断とは関係ないと強調していたが、「再稼働の最終トリガーになりたくなかったのだろう」と関係者は推測した。


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