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原発防災道路の複線化を住民切望 原発の行方・第2章(6)

  • 2012年2月10日
  • 05:00
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福井県美浜町の美浜原発に通じる敦賀半島西側の県道は、昨年5月の土砂崩れで今も片側交互通行が続いている。県内原発の周辺住民にはアクセス道路の複線化を求める声が強い=2012年2月8日、福井県美浜町北田
福井県美浜町の美浜原発に通じる敦賀半島西側の県道は、昨年5月の土砂崩れで今も片側交互通行が続いている。県内原発の周辺住民にはアクセス道路の複線化を求める声が強い=2012年2月8日、福井県美浜町北田

2011年5月、福井県内を襲った豪雨により、同県美浜町北田の県道で土砂崩れが起きた。全面通行止めは2カ月近くに及んだ。

県道は関西電力美浜原発から国道27号や町中心部に通じており、現場は敦賀半島の西側の付け根に当たる。原発や周辺地域との往来には、同県敦賀市側から敦賀半島を東西に横切る形で迂回(うかい)するしかなかった。

通行止め箇所の北側にある菅浜区は、原発から南へ約5キロの位置。原発で万一事故が起きると、迂回路までは原発に向かう形で避難を迫られるという状況だった。

「道路1本だけでは不安が大きい。原発を再稼働する前に、区が長年要望してきたバイパス道路の整備のめどを示してもらわないと納得できない」。菅浜区の武田道夫区長(54)は強い調子で行政の早期対応を訴える。

県道沿いでは大雨で度々土砂崩れが起きてきた。現場の工事はいまだ完了せず、片側交互通行の状態が続いている。加えて、全面通行止めの折に迂回路は車で渋滞となった。原発事故と自然災害が重なって発生した場合に避難できるのか、住民の不安は解消されていない。

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東京電力福島第1原発事故では、東京消防庁などの大型特殊車両が原発構内に向かい、アクセス道路の重要性が浮き彫りになった。

県内の原発は、背後近くまで山が迫る半島先端部に位置し、アクセス道路はどこも1路線しかない。道路が何本も整備されていた福島より条件は悪い。事故時に初動対応の車両と避難する住民が集中すれば、通行に支障が出かねないし、地震、津波で道路が寸断される心配もある。

県は福島の事故後、敦賀、大島、内浦の各半島で、原発に向かうアクセス道路の複線化が必要と判断。防災道路として新たに整備する4路線の事業費を約300億円と見積もり、全額を国費で負担するよう国に求めた。

4路線は美浜町のバイパス道路をはじめ、敦賀半島先端部で通行不能となっている日本原電敦賀原発と日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」の付近一帯をつなぐ道路など。県は現在ルート調査を進め、2012年度当初予算案に4路線の設計調査費を盛り込む方針で、国費15億円を充てるほか、関電など電力事業者も同額程度を負担する意向だ。

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地元市町や住民は、避難道路の複線化を長年望んできた。

敦賀市選出の石川与三吉県議は初当選した1995年から敦賀半島先端部の“周回道路”の整備を訴えてきた。「住民の安全安心のために整備は絶対必要。でも県は一向に腰を上げなかった」と指摘する。

県は従来、交通量や経済効果を基準に造るかどうかを決める通常の道路財源枠での整備は厳しいとの姿勢だった。だが東日本大震災以降、認識を大きく変えた。

立地市町の要請もさらに強まった。停止中の原発の再稼働と関連づけて首長らは「避難道路整備の約束が大前提」(時岡忍おおい町長)との考えを示している。野瀬豊高浜町長も「道路が完成するまでの対策も含めた意思を(国が)示してほしい」と訴える。

内浦半島の先端部に位置する高浜町音海の住民にとっては、避難用の道路確保は切実だ。現状では町中心部などへ向かおうにも、原発のわきを通り抜けていくしかない。

県の計画には避難道路の整備が盛られている。区民からは「遅すぎる」と批判の声もあるが、金森幹夫区長(65)は「道路は1本より2本あった方が当然いい。福島の事故の危機感から、行政がやっと動いた」と感じている。


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