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外国人が感じた「福井の旅」は? 強みと課題が浮き彫りに

  • 2015年11月29日
  • 10:41
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旅の目当ての越前がにを前に、ご満悦の周さん(左から2人目)一行=23日、福井県坂井市三国町の温泉旅館
旅の目当ての越前がにを前に、ご満悦の周さん(左から2人目)一行=23日、福井県坂井市三国町の温泉旅館

 福井県観光連盟が実施する観光タクシーをこのほど、マカオ在住の観光客グループが外国人として初めて利用した。福井県の「観光素材の多さ」に驚く半面、「客目線の気配り」という点では注文も。個人の外国人旅行客を福井県に呼び込むための強みと課題が浮かんできた。

 22〜24日に福井県を訪れたのは、周靜敏(しゅうせいびん)さんと両親、友人の計5人。テレビ番組で越前がにを知り、紅葉の観光を兼ねて旅行を計画した。全員が日本に何度も訪れているものの、「日本語は分かりません」が決まり文句だ。

 周さんの場合、旅の情報収集はもっぱらインターネットという。県観光連盟の観光タクシーを見つけたのは、旅の10日ほど前。メールでやりとりした結果、同連盟は23、24の両日に嶺北一円の観光地を巡る特別プランを設定した。

 福井県に着いた22日は、JR福井駅西口のビジネスホテルに宿泊。そこで、この旅一番の問題が起きた。この日は日曜日で、駅周辺の飲食店は多くが休業していた。やっと見つけた店も閉店が早かったといい、「多くの人が集まる駅前だから、もっと簡単に旅人向けの飲食店が見つかると思った」と少々ご立腹の様子。このほか、ショッピングモールや観光案内所の少なさを福井県観光の課題に挙げた。

 とはいえ、お目当ての越前がにはたっぷり堪能。23日に宿泊した福井県坂井市三国町の温泉旅館も含め「とても高額だけれど、その価値はあった」と喜んでいた。一番良かった訪問先は大本山永平寺(福井県永平寺町)で、紅葉の西山公園(福井県鯖江市)も印象深かったという。

 2日間にわたって一行を案内したタクシー運転手には「エクセレント」の評価。「英語が流ちょうでなくても、一生懸命説明してくれた。誠実で親切な人だった」と、もてなしに感激していた。

 県観光連盟の川上千尋観光アドバイザーは「福井を旅する外国人は、基本的に日本旅行のリピーターだと感じる。その人たちへの受け入れ態勢の整備に行政と一体で取り組むとともに、2次交通の一翼を担う観光タクシーはドライバーの外国語対応を進めたい」と話していた。

 高級旅館でズワイガニをほおばり、翌日にカニ丼を食べる。移動は手配したタクシー。福井県を巡った周さん一行の旅程は驚くほどぜいたくだった。さらに京都、大阪を巡ってから一行は帰路についた。外国人観光客受け入れの魅力が分かる好例だ。

 周さんが指摘した、飲食店が日曜日に休んでいる点などは、ビジネス街にあるため仕方ない部分もある。ただ、観光で最も重要な「もてなし」の観点では理由にならない。もてなしの心を付加価値として提供し続けなければ、旅行需要は取り込めないだろう。

 取材後、周さんは「夕食にはそばと天ぷらが食べたい」と話し、県観光連盟の川上さんが店を手配した。すると店側は、結果的に受け入れたものの「日本語が話せないと…」と顔が曇る場面もあった。一方、周さんは初対面の私に「今度はマカオにおいで。連絡してくれたら、案内するよ」と、日本語版のマカオ観光ガイドをプレゼントしてくれた。もてなしの心の差に、福井県民の一人として申し訳ない気分になった。


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