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保全計画を急ごしらえ、ミス放置 瀬戸際もんじゅ(1-2)

  • 2015年11月17日
  • 10:40
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保安検査の初日会合で改革の進ちょくを話す青砥紀身もんじゅ所長=9月3日、福井県敦賀市の高速増殖炉もんじゅ
保安検査の初日会合で改革の進ちょくを話す青砥紀身もんじゅ所長=9月3日、福井県敦賀市の高速増殖炉もんじゅ

 大量の機器の点検漏れを引き起こす発端は2009年1月。点検頻度などを定めた保全計画の導入にさかのぼる。

 高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)は原子炉冷却にナトリウムを使う特殊な構造だ。例えば、冷却3系統のうち1回の点検でナトリウムを抜いて調べられるのは1系統のみ。一般の軽水炉とは保全の方法が大きく異なる。しかし、日本原子力研究開発機構は国の規制変更に伴い、半年も掛けずに保全計画をつくった。

 もんじゅを所管する文部科学省の田中正朗・研究開発局長は「商業炉をまねて急に導入したこともあり、内容が不十分または過多な部分があった」と、急ごしらえの計画に問題があったと認める。

 原子力規制委員会が、原子力機構の幹部を呼んで意見聴取した今月2日の会合で、もんじゅの青砥紀身所長はこれまでの問題点をこう弁明した。

 「問題の保全計画を導入した翌年の10年は、当時の保安院の保安検査が通年ですべて合格だった。間違いはその後。(福島事故の)3・11後に要求されるものが変わったのに、合格をもらっているため対応は正しかったというところから抜け出せなかった」

 ただ県内の規制庁関係者は、10年5月に試運転を再開した段階で「より商業炉に近い管理が必要になったのに、(原子力機構は)十分把握していなかった」と批判する。

■  ■  ■

 地元の敦賀市や福井県は、規制委のコミュニケーション不足を問題点に挙げる。渕上隆信市長は「適切な指導があれば、勧告を出すような事態にはならなかったのではないか」と疑問視し、西川一誠福井県知事も「これまでの助言に親切さが欠けている」と苦言を呈した。

 青砥所長は「現場では保安検査の視点や基準がほとんど見えない。検査官とコミュニケーションが取れれば対応できた」と悔やむ。

 だが、現場が保安検査の指摘への対応に追われていたとしても、機器の安全重要度の分類といった根本部分の改善を放置してきた事実は重い。運転再開準備の禁止命令の解除に向けた報告書で未点検の機器数を誤るなどの軽率なミスも重ね、規制委に見放された。

 田中俊一委員長は原子力機構幹部への意見聴取で、最後に吐き捨てるように言った。「施設の安全を保つのは事業者の務め。検査があるからやるわけではない。安全文化が全然できていない」


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