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【Q&A】高速増殖炉もんじゅ 「夢の原子炉」 運転250日

  • 2015年11月14日
  • 07:35
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もんじゅのトラブル
もんじゅのトラブル

 原子力規制委員会は、高速増殖炉もんじゅでミスを繰り返している日本原子力研究開発機構に運転を任せられないと判断し、所管の文部科学相に半年間で新たな主体を探すよう勧告しました。

 Q 高速増殖炉とは。

 A 高速増殖炉は通常の原発と同様に、核燃料に中性子が当たって連鎖的に起きる核分裂反応に伴う熱で蒸気をつくり発電します。原発では冷却材の水などで中性子のスピードを落としてウラン燃料に当たりやすくしているのに対し、高速増殖炉は中性子を高速のままで、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料にぶつけます。

 原発では使えないウラン238をプルトニウムに変換でき、発電と同時に燃料を元の量より増やせることから「夢の原子炉」とも言われてきました。

 Q 実用化のめどは。

 A 実用炉までの4段階のうち、もんじゅは第2段階の原型炉です。1994年に初の臨界を達成しましたが、トラブルが相次ぎ、21年間で運転期間はわずか250日。実用化のめどは全く立っていません。

 Q トラブルとは。

 A もんじゅは冷却材に金属ナトリウムを使う世界的にも珍しい炉です。ナトリウムは中性子を減速させず熱効率もよい一方で、空気と激しく反応するので厳重な管理が必要ですが、95年に2次冷却系配管から漏れて火災が起きました。2010年には燃料交換装置が炉内に落ちました。

 Q 機構の体質に問題があるのですか。

 A 機構は研究機関としての側面が強く、設備の管理が不得意との指摘があります。12年以降は機器の点検漏れなどの不備が次々発覚。規制委は13年に再開準備を凍結させましたが、今年も点検の基となる機器の重要度分類に誤りが見つかるなど改善の兆しがなく「失格」と判断しました。

 Q 規制委の勧告とは。

 A 規制委設置法の規定で、規制委は原子力の安全について問題がある場合、関係する行政機関の長に改善を促し、報告を求めることができます。既に文書で文科省に指導監督を強化するよう求めてきましたが、事態が好転しないため、発足後初めて「伝家の宝刀」(田中俊一委員長)の勧告に踏み切りました。

 Q 今後はどうなりますか。

 A 勧告に強制力はないものの、馳浩文科相は文科省に検討会をつくって運転主体選びを進める考えを示しました。ただ、もんじゅという特殊な炉を運転した経験は機構にしかなく難航は必至です。まともに動かないまま1兆円を超える国費が投じられたもんじゅへの批判は強まっており、引き受け手が見つからず廃炉に向けた検討が進む可能性もあります。


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