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原子力機構の代替探しは困難 原子力規制委「改善望めず」

  • 2015年11月5日
  • 10:07
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もんじゅをめぐる経過
もんじゅをめぐる経過

 高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)で続く保守管理の不備問題で、原子力規制委員会は4日、運営主体として日本原子力研究開発機構は「不適当」と断じた。規制委は所管する文部科学相に対し、別の運営主体を明示するよう勧告する方針だが、原子力機構に代わる運営組織を見つけるのは困難だ。1995年12月のナトリウム漏れ事故から20年。ほとんど動かないまま、国の核燃料サイクル政策の中核として位置付けられてきたもんじゅは、瀬戸際に立たされた。

 ■「20年、同じ繰り返し」

 「20年前のナトリウム漏れ事故以降、品質保証の問題は根深く存在している」。規制委は、もんじゅで続く保守管理の問題に対し、原子力機構が潜在的に抱えるずさんな体質を糾弾した。

 ナトリウム漏れ事故では、当時の動力炉・核燃料開発事業団(動燃)が現場映像を意図的に編集した「ビデオ隠し」が発覚。その後、動燃は解体的出直しを迫られ、核燃料サイクル開発機構、今の原子力機構へと改組されてきた。

 ただ、もんじゅのトラブルは絶えず、2008年にはナトリウム検出器の誤作動が続発。運転再開した10年には炉内中継装置が落下し、再び停止した。そして、12年に機器の大量点検漏れが発覚して以降も管理ミスが相次いだ。

 規制委は「この20年、同じようなことを繰り返してきた」(田中俊一委員長)とし、原子力機構では抜本的な改善は不可能と判断した。

 ■施設の安全性議論なく

 規制委は、もんじゅの運営主体を変更するよう文科相に勧告する方針だ。だが、福井県内関係者は「民間の電力事業者に保守管理の能力はあったとしても、高速炉の技術的な能力はない」と指摘し、規制委がもんじゅを運営できる組織の“解”を求めているようには思えないと首をかしげる。

 文科省が代わりの運営主体を明示できない場合、規制委はもんじゅの廃炉も含めて在り方を抜本的に見直すよう求める方針で、こちらが主眼ではないかとの見方もある。

 「もんじゅが、福島事故を踏まえた安全基準に不適合だとした上で勧告するなら分かるが、その議論がない。規制委は廃炉しか考えていないのではないか」と話すのは、原子力行政に詳しい来馬克美福井工大教授。規制委が高速炉特有の新規制基準をつくらず、もんじゅの施設自体の安全性の議論がない点を疑問視した。

 ■文科省に「げた預け」

 もんじゅは、昨年4月に閣議決定されたエネルギー基本計画の中で、「高レベル放射性廃棄物の減容・有害度の低減などの向上のための国際拠点」と位置付けられている。仮に廃炉の方向になれば、国の核燃料サイクル政策に大きな影響が出るのは必至だ。

 もんじゅの開発には、これまで1兆円以上の国費が投入されたが成果は出ず、存廃議論は民主党政権時代にもあった。新たなエネルギー戦略の策定をめぐり、素案の段階では「廃止」を打ち出していたが、計画の最終段階で従来路線に戻した経緯がある。

 規制委の田中委員長はこの日の記者会見で、廃炉の可能性について「(所管する)文科相がいろいろ考えて判断する」と述べるにとどめ、今後の設置許可取り消しなどについては明言を避けた。

 原子力資料情報室(東京)の伴英幸共同代表は「文科省にげたを預けたような形で、規制委の勧告内容はやや甘い」とした上で、「もんじゅの正当性がどんどん見えなくなってきている。実現があやしい政策をいつまでも維持しておくべきではなく、政府は廃炉に向けて本格的な議論をすべきだ」と指摘した。


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