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無関心脱し集会、デモで意思表示 原発の行方・プロローグ(8)

  • 2011年10月18日
  • 05:00
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市民有志が企画した脱原発を訴える講演会。会場はほぼ満席となり熱気に包まれた=2011年10月9日、福井市の福井県国際交流会館
市民有志が企画した脱原発を訴える講演会。会場はほぼ満席となり熱気に包まれた=2011年10月9日、福井市の福井県国際交流会館

 脱原発を訴えるルポライター鎌田慧氏が2011年10月9日、福井市で講演し、定員300人の会場はほぼ満席となった。活発に質問が出る様子を見ながら、企画に当たった福井市の獣医師酒井和博さん(62)は「みんなが自分の立場で原発を考えるようになった」と受け止めた。

 「日本人は黙っていれば国の指導で幸せになれると信じていた。でもそれでは、福島と同じことが繰り返される。一人一人が正しく判断するための勉強をしないといけなくなった」と語るのは越前市の会社員大塚衛さん(59)。事故以降、原発関連の講演にはできる限り足を運んでいる。

 東京電力福島第1原発事故を契機に、原発や放射線をテーマにした講演会、学習会が福井県内各地で開かれている。無関心から脱し、自分の問題として原発の存在と向き合おうという意識が、住民の中に広がっている。

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 友人らと協力して講演会を開いた酒井さんは「今回の事故で原発の危険さを思い知った。14基もある福井県で平気ではいられなかった」と動機を語る。ただ、既存の反原発団体による集会は「色」を帯びていて「集まれる人が限られる」ため、「一般の人」が原発を知る機会をつくりたかったという。

 20年以上前から脱原発を訴えてきた元同県越前市議の山崎隆敏さん(62)は7月、市民団体「サヨナラ原発福井ネットワーク」を設立した。周囲から「従来の団体には参加しづらい」と聞いたのがきっかけ。会員約300人が集まり、スタッフも約20人を数える。反響の大きさに山崎さん自身が驚いている。

 同ネットの会員となった越前市の自営業若泉政人さん(44)は、鎌田氏や作家の大江健三郎氏らが呼び掛け9月に東京で開かれた「さようなら原発5万人集会」にも参加した。「感情や思想は抜きにして、原発を正しく理解する、知ってもらうことが大事」と痛感している。

 都市圏を中心に全国各地では、脱原発の意思表示をしようとデモも頻繁に行われている。

 福井市内で9月に行われた脱原発パレードに、越前市の会社員岩野勇さん(61)は初めて加わった。「恥ずかしい気持ちもあったが、一人でも多く反対の声を上げないといけないと思った。やじ馬でなく本心から」

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 講演会などでは、子育て世代の母親たちの姿を多く見かける。事故で広範囲に拡散した放射性物質が子どもに影響しないか、特に敏感だ。

 9月下旬に福井市であった研究者の講演を、乳児を抱いて聞いていた主婦(36)は「わたし一人なら何も思わないけれど、子どもがいるから。これまで原発に興味がなかったことを反省している」とつぶやいた。

 4歳の長男を持つ福井市の会社員永吉ひとみさん(39)は「事故直後、新聞やテレビの情報は、ただ安全の一点張りだった」と語る。講演会に4度出向いた。「暫定規制値を満たす食品や飲み水にしても本当に安全と言えるのか分からない。生の情報を知りたい」との思いに突き動かされたという。

 「3・11から人生観が変わった」という福井市の主婦(59)は、県民の多くが声を上げたり、行動を起こさない現状を歯がゆく感じている。一方、チェルノブイリ原発事故から原発に関心を寄せてきた越前市の主婦水上澄子さん(67)はこうも訴える。「当時のように『喉元過ぎれば…』で関心をなくさないようにしないといけない」


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