福井と沖縄、原発と基地のニュースサイト

福井県知事「原発安全基準明示を」 政府の姿勢を厳しく批判 

  • 2011年5月21日
  • 16:40
  • Twitterでシェア0
  • Facebookでシェア0
  • Google+でシェア
  • 0
インタビューで原発の安全対策をめぐる政府の姿勢を厳しく批判する西川一誠知事=2011年5月20日、福井県庁
インタビューで原発の安全対策をめぐる政府の姿勢を厳しく批判する西川一誠知事=2011年5月20日、福井県庁

 西川一誠・福井県知事は2011年5月20日、福井新聞社のインタビューで、東京電力福島第1原発事故を受けた原発の安全対策をめぐり、政府の姿勢を「教訓を生かそうという気持ち、正面から向き合う気がない」と厳しく批判、国が「適切」とした緊急安全対策は対症療法にすぎないと指摘した。その上で「原発の安全を最優先に考えるのは当然」として暫定的な安全基準の明示などをあらためて国に求めた。

 ―事故発生から2カ月以上たつが収束が見通せない。政府、東電の対応をどうみる。

 「関係者がさまざまな発言をしているが、誰も安心していない。原発のコントロールや規制体制は根本的な見直し、考え方の変更が必要だと思うが、暫定でもいいから(現時点で実施できることを)きちんとやるべきだ。取り組む姿勢すら示されていないのは非常に不満だし問題だ」

 「原発はノーリスクではなく、日本の優れた技術と日々の関係者の注意力で制御してきたつもりだが、今回の事故を見ると、技術者も科学者も電力事業者も政府も全く油断をして甘かったということ」

 ―政府による情報発信や説明責任が十分果たされておらず、住民、国民に混乱を与えている。

 「データ、映像、それに対する見解が相前後して五月雨的に出てくる点が非常に問題。メルトダウン(炉心溶融)も2カ月たって分かった。情報は可能な限り明らかにし、説明する必要があるが、事業者や国任せにするだけでは、県民の安全は決して確保されない」

 ―原発の緊急安全対策を国は「適切」と判断する一方、暫定的な安全基準の提示や高経年化原発の検証はされていない。

 「教訓をできるだけ現場に生かそうという気持ち、(安全対策に)正面から向き合う気があまりないのではないか。それで安全宣言をするのは変だ。事故原因が津波か地震か、その可能性すらはっきりさせていない。ある程度はっきりできると思うし、そうすべきだ」

 ―知事は繰り返し「停止中の原発の再起動は現時点で認められない」としている。何が問題か。

 「緊急安全対策の内容が部分的だ。電源車や消防ポンプ、ホースなどは単なる対症療法でしかない。それで原発が安全だというのは常識的ではない。もう少し今回の経験を分かった限りでも踏まえ、実行すべき。(津波の被害想定を)一律9・5メートル(上乗せ)とするのも変だ」

 ―定検中の原発の再起動がずれ込めば、関西圏で夏場の電力供給が窮迫する可能性もある。

 「(電力供給は)県内の原発で福島のような事故が起こらないことが大前提。関西圏のために電力を提供しているわけで、福井県民のためにやっているわけではない。リスクを抱えており、安全を最優先に考えるのはむしろ当然。消費だけの議論ではいけない。浜岡原発は止めて、福井の原発は大丈夫だから電気を送るというのもおかしい。そんな話には乗れない」

 ―浜岡原発の全面停止に対し、多くの立地自治体には戸惑いもある。

 「浜岡原発周辺で(30年以内に)マグニチュード8程度の地震が発生する確率が87%以上だというが、今回の福島の確率は0・0%だった。福井県では0・0%もあるし0・6%もある。何が違うのか。確率が正しいのかどうかも分からない。手続きも不明。(停止するなら)原子力安全委員会などでチェックしないといけない」

 「他の原発の安全の根拠も非常にあやふやで、不安定な状況に置かれている。もう少し基準などを示さなければ混乱は広がる。落ち着いた議論が必要」

 ―東日本大震災を受け、エネルギー政策だけでなく、国土のありようも国全体で考えるべき時期に来ているのでは。

 「東京中心になっていることが課題。東海地震がまさに問題で、浜岡原発が危ないなら東海道新幹線が危ないということ。日本海側の国土軸を並行的に強化しなければならない。東京から大阪、東から西に移すというだけではリスクはそれほど変わらない。モノが集中すると必ず予想もしないことが起こる。エネルギーや食糧、水を供給している地方を重視する国土構造にすることが大事だ」


基地 from 沖縄 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

基地 from 沖縄 カテゴリーニュース