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再生エネルギーの発電能力は途上 原発の行方・プロローグ(5)

  • 2011年10月12日
  • 05:00
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出力1000キロワットの「メガソーラー」として北陸電力が3月に運転を始めた志賀太陽光発電所。4800枚のパネルが並ぶ=石川県志賀町
出力1000キロワットの「メガソーラー」として北陸電力が3月に運転を始めた志賀太陽光発電所。4800枚のパネルが並ぶ=石川県志賀町

 福井市板垣2丁目の加藤米子さん(54)宅の南側の屋根には太陽光発電のパネル25枚が並んでいる。出力は4・38キロワット。共同出資で太陽光発電の設備を運営する市民団体「ふくい市民共同発電所を作る会」が2002年に設置した2号機だ。

 石川県志賀町の北陸電力志賀原発から東へ約2キロにある工業団地の一画には、縦1・5メートル、横1メートルの発電パネル約4800枚が整然と並ぶ。北電が2011年3月に運転を始めたメガソーラーの志賀太陽光発電所だ。出力は1千キロワット。住宅用装置の約250倍に相当する。

 東京電力福島第1原発の事故後、脱原発に向けた代替エネルギーとして期待が高まる再生可能エネルギー。太陽光発電はその筆頭格だ。

 だが、供給力の柱になれるか、加藤さんも、北電も課題を口にする。急激な普及拡大には壁がある。

  ■  ■  ■

 8月に再生エネルギー特別措置法が成立し、太陽光や風力などで発電した電力の全量買い取り制度が来夏始まる。「どんな理由であれ、自然エネルギーが普及するのは歓迎。僕らが目指してきた方向に世の中が進んできた」。ふくい市民共同発電所を作る会事務局長の炭竈勇さん(60)は普及に弾みが付くと期待する。

 同会は00年に発足。公募した住宅に市民の出資で太陽光発電設備を取り付け、余剰電力の売上金を出資者に分配するという全国でも先駆的な手法で普及啓発に取り組んできた。現在、3号機まで設置が進んでいる。福井県越前市と敦賀市でも同様の団体が活動し、県内では現在計6基の市民発電所が運転中だ。

 「原発は二酸化炭素は出さないが、放射性廃棄物が負の遺産として残る。きれいな電気を普及させたかった」と炭竈さん。震災後は市民の問い合わせも多く、関心の高まりを肌で感じている。

 ただ、発電能力はまだまだ途上だ。

 2号機の10年度の総発電量は4千キロワット時。震災前から節電に熱心な加藤さんでさえ、自宅での総使用量4800キロワット時をまかなえなかった。もし全てを太陽光に頼るなら「生活の在り方をよっぽど変えないと」と語る。

 電力会社も「再生可能エネルギーは、地球温暖化対策の観点から重要」(北電)として各地でメガソーラーの建設を進めるが、気象条件による不確定要素が大きく、コスト面でも課題を残す。

 志賀のメガソーラーの稼働率見込みは11%。年間発電量約100万キロワット時で、志賀原発2基分だと30分強の発電量にしかすぎない。電力量の比率を急激に増すのは困難との見方だ。

 関西電力は大阪府堺市の約21ヘクタールの土地に国内最大の出力1万キロワットのメガソーラーを持つが、八木誠社長は「あの広さでも1万キロワット。関電の原発は計1千万キロワット。原発に取って代わるのは無理」と話す。

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 全国の総発電電力量に占める再生可能エネルギー(水力を除く)の割合をみると、09年度は1・1%にすぎない。日本エネルギー経済研究所の十市勉顧問は「供給力の安定確保が課題。30年に10%まで引き上げるのが現実的な目標」とする。需給調整のための蓄電池やスマートグリッドなどの技術開発にも、10年以上の時間を要するとみる。

 「原発の発電量を全て転換する必要はない」と指摘するのは脱原発の市民団体「サヨナラ原発福井ネットワーク」の山崎隆敏代表。「太陽光や風力を夏場のピーク需要に充てていければ、原発を減らしていける」と言うのだ。

 十市氏は、小規模な再生可能エネルギーの特色を生かすためには、電力の「地産地消」が重要だと強調。「地域に合った自然エネルギーの利用形態を住民らが考え、自分たちの発電所として育てていくという意識を持たないといけない」と提言する。


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