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福井県の原子力防災計画検証へ 避難範囲、方法に課題

  • 2011年4月15日
  • 15:47
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福井県内各原発の半径30㎞圏内
福井県内各原発の半径30㎞圏内

 東京電力福島第1原発事故では、半径20キロ圏内の住民に避難、20~30キロ圏には自主避難の指示が政府から出され、国の原子力防災指針で定める10キロを大きく上回る範囲で避難を余儀なくされた。敦賀、美浜、おおい、高浜の4市町に立地する原発から30キロ圏を設定すると、鯖江市まで入り、京都府では舞鶴市全域が含まれる。福島のような深刻な原子力災害が万一福井県内で起きた場合、10万人単位の住民をどう避難させるのか。西川知事は11日、住民避難の想定範囲の妥当性を検証する方針を示し、京都府は13日に議論を開始、滋賀県も着手するが、訓練の在り方を含め数多くの重い課題が横たわる。

 県が2000年から毎年行っている原子力防災訓練では、避難や屋内退避を指示する放射線量の基準を国より厳しく設定。国が10~50ミリシーベルトで屋内退避としているのに対し、県は5~10ミリシーベルトで屋内退避、10~50ミリシーベルトはコンクリートの建物への退避と設定。50ミリシーベルト以上となった場合は、国はコンクリート建屋退避か避難だが、本県は5ミリシーベルトに達しない地域まで全住民を避難させるとしている。

 ただ、屋内を含めた避難の範囲は、国の防災指針と同じ10キロが目安。昨年10月に実施した大飯原発周辺での訓練では半径3キロを避難区域、風下3~5キロをコンクリート屋内退避、同5~7キロを屋内退避としている。

 今回の事故を受け、県原子力安全専門委員会の中川英之委員長は県原子力防災計画の見直しの必要性に言及。指摘を受けて県は、避難範囲の設定に関して課題と対策を取りまとめるよう国に要請した。

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 地形的な問題もある。福島県では平野部の開けた一帯に原発が立地しているのに対し、県内では原発の背後近くまで山が迫る半島部分にすべて位置する。幹線道路は少なく、地震や津波で道路が寸断されれば、住民の避難に大きな支障となりかねない。これまでの訓練で船やヘリを使った海、空からの避難も行っているが、防災道路の整備を求める声は強く、12日の県との意見交換で4市町長は口々に早急な整備を訴えた。

 嶺南と隣接する京都、滋賀両府県との連携強化も不可欠だ。本県の訓練に京都は00年度から、滋賀は01年度から参加し、緊急事態応急対策拠点施設(オフサイトセンター)に連絡員を出している。04、08年度の訓練では舞鶴市で住民のコンクリート屋内退避も行った。

 実際に、福島では大規模で広範囲の避難が現実となり、実際にどんな方法、ルートで住民を避難させるのか、より綿密な計画が求められる。県危機対策・防災課は「早急に取り組む必要のある課題。福島でどんな動きだったのか、本県として検証したい」とする。

 地域防災計画の見直しに着手した京都府は13日、関西電力高浜原発の事故を想定した避難範囲を半径10キロから20キロに拡大する方針を決めた。

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 もし原発から20キロ圏内に避難指示が出ると、敦賀市は全域が含まれる。約6万9千人の市民をどう避難させるのか。市市民防災課の中野良樹課長は「全市民をバスで避難させると、約1700台必要。台数を確保できるかも分からない」と頭を抱える。

 避難先としては、防災協定を結ぶ県内の原発立地自治体のほか、隣接の滋賀県長浜、高島両市も考えられる。ただ、アクセス道路は国道8号と161号しかない。

 一方、敦賀半島の先端にある立石区の住民は、敦賀原発の横を通って逃げることになる。地震や津波で原発に異常が起きても、放射能が漏れるまでには一定の時間的余裕があるにしろ、同半島から市中心部に通じる道は1本のみ。住民は「土砂崩れなどで、道がふさがれたらどうなるのか」と不安を口にする。

 敦賀市だけでなく、美浜、おおい、高浜各町も似たような問題をはらんでいる。

 市は9月の県原子力防災訓練で、避難の想定を20キロ圏内に拡大して行いたい意向だ。避難の態勢をどう整えるのか、試金石になる。


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