
九州電力は14日、川内原発2号機(鹿児島県薩摩川内市)の原子炉を15日午前10時半に起動し、再稼働させると発表した。21日に発電と送電を始める。新規制基準に適合した原発の再稼働は8月の川内1号機に続いて2基目。14日は再稼働前の最終検査となる原子炉内の核分裂を抑える制御棒の駆動検査を実施した。
14日の検査は、緊急時に原子炉を停止させるため、制御棒が正常に機能するか確認。15日に再稼働した後は、約12時間後に核分裂反応が安定的に続く「臨界」に達する見通し。営業運転への移行は11月中旬になる見込みだ。
九電は原油安と川内1号機の再稼働で収益が改善。2015年9月連結中間決算の純利益が450億円と、5年ぶりの黒字を予想している。川内2号機も再稼働すれば、16年3月期も黒字転換する公算が大きくなるとみられる。
これまで原子力規制委員会には15原発25基について審査の申請があり、川内原発のほか、関西電力高浜3、4号機(福井県高浜町)、四国電力伊方3号機(愛媛県伊方町)が合格。愛媛県議会は伊方3号機の再稼働に同意し、地元手続きが最終段階に来ている。