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加圧水型軽水炉、電源喪失時どう冷やす 「命綱」故障想定なし

  • 2011年3月18日
  • 14:57
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電源喪失時の原子炉冷却(加圧水型炉)
電源喪失時の原子炉冷却(加圧水型炉)

 深刻な事態に陥った東京電力福島第1原発(沸騰水型軽水炉)では、外部からの電力供給が止まった際に使う非常用ディーゼル発電機が動かず、多重に準備されているはずの冷却機能が失われたのが原因となった。福井県内の商業炉のほとんどは加圧水型軽水炉で構造が異なるものの、電源喪失時に原子炉をどう冷やすかは大きな課題。内部の蒸気を動力源として注水する仕組みが最後の「命綱」となるが、この系統の故障までは想定していない。福井県は防護策の一層の多重化を求めている。

 県内の商業炉13基のうち関西電力の美浜、大飯、高浜原発と日本原電敦賀2号機の計12基は加圧水型炉。外部の電源を失い非常用発電機も動かない「全交流電源喪失」に陥った場合、蒸気で動く補助給水ポンプで蒸気発生器に水を送り、1次冷却水を通して原子炉を冷やす。圧力が高くなれば、蒸気の一部は主蒸気逃がし弁で外に放出する。この補助給水系統は冷却機能の最後のとりでとなる重要設備のため、関電は以前から配管などの耐震補強や系統の多重化を検討している。

 しかし「全交流電源喪失時、使用可能なすべての設備が機能を失うとは考えられない」(関電)とし、補助給水系統の故障は想定していない。

 福島第1のように原子炉内の水位が下がり、炉心溶融などに至った場合には、ディーゼル駆動の消火水ポンプを使って原子炉格納容器を冷却。構内に常駐する消防ポンプ車を使った海水注入などの手段もある。

 加圧水型炉では、炉心溶融時に水素が発生する状況も想定しているという。原子炉格納容器の容量は沸騰水型よりかなり大きいため「水素濃度は爆発限界に達しない」としている。

 一方、高速増殖炉「もんじゅ」では、冷却材のナトリウムが温度差によって自然に循環する性質を利用し、電源喪失時には2次系ナトリウムが動力源のいらない空冷で冷やされ、熱交換により炉心を流れる1次系ナトリウムを冷やす。3系統のうち1系統で冷やせば原子炉の冷却には問題はないという。日本原子力研究開発機構は「3系統のうちすべてが機能しないという状況は考えがたい」とする。

 ただ、福島第1では実際に想定外の事態に至った。県原子力安全専門委員会の中川英之委員長は「原発の安全性に対する信頼を回復するためには、いかなる想定外の場合であっても原子炉を止めるための『止める』『冷やす』『閉じこめる』の機能が常に確保されることが重要」とし、国を挙げての再検討が急務だと指摘する。

 西川知事は「加圧水型の原発にも同じような問題が潜在していると思う」とし、17日の国への要請でも電源の総点検と多重性の向上を求めた。

 ある電力事業者の関係者は「今回の事態は原発の設計思想や安全審査基準そのものにかかわる」と話している。


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