福井と沖縄、原発と基地のニュースサイト

新規原発再稼働年内「ゼロ」公算に焦りの声 輸出も頓挫…「稼ぐ時代終わった」

  • 2019年2月19日
  • 07:35
  • Twitterでシェア0
  • Facebookでシェア0
  • Google+でシェア0
  • 0
原子力規制委員会の審査合格後、再稼働していない原発
原子力規制委員会の審査合格後、再稼働していない原発

 東京電力福島第1原発事故を受け、国内の全原発が停止した後、5原発9基が再稼働した。一方、原子力規制委員会の審査に合格しても安全対策工事が長期化し、運転再開まで数年を要する原発も出ている。年内の新規再稼働は「ゼロ」の公算が大きく、官民一体での原発輸出も頓挫、経済界からは焦りの声が漏れてきた。原発推進は手詰まりな状況だ。


 ◆延期


 「再稼働に向けた計画を延期する」。関西電力は今月上旬、原則40年の運転期間を20年延長して再稼働を目指す美浜3号機と高浜1、2号機の方針変更を発表した。資機材置き場の確保や施設の耐震化に関する追加対策が必要で、再稼働の延期を余儀なくされた。ある関電社員は「工事が多岐にわたる。さらに工期が延びる可能性もある」とぼやく。


 2016年に審査に合格した高浜1号機だけが年内に新規で再稼働する予定の原発だった。だが来年まで延期となり「全国的に今年の再稼働はない」(規制委関係者)。


 ◆沸騰水型


 国内の商業用原発には加圧水型と沸騰水型の2種類あるが、事故後、再稼働した四国電力伊方3号機(愛媛県)や九州電力川内1、2号機(鹿児島県)、直近の18年6月に運転を再開した九電玄海4号機(佐賀県)など5原発9基は全て加圧水型。福島第1原発と同じ沸騰水型の再稼働はまだない。


 沸騰水型は原子炉格納容器が比較的小さいため、内部の温度や圧力が上がり、重大事故につながりやすいという欠点がある。さらに、多くが地盤の弱い場所にあり、液状化の問題などを抱える。


 沸騰水型は、日本原子力発電の東海第2(茨城県)と東電柏崎刈羽6、7号機(新潟県)が審査に合格しているが、強固な防潮堤の建設など工事の難航も予想される。再稼働の条件の一つ「地元同意」を巡っても、立地や周辺自治体から慎重な意見もあり、一筋縄ではいかない。


 東北電力女川2号機(宮城県)と中国電力島根2号機(島根県)は審査が終盤を迎えつつあるが、重大事故対策の説明が長引き、再稼働の時期は不透明なままだ。


 ◆自治体


 「再稼働をどんどん進めるべきだ」。1月15日、原発メーカーの日立製作所の会長でもある経団連の中西宏明会長は記者会見で語った。「安全について十分議論し尽くしている原発も多い。(立地)自治体が(再稼働に)イエスと言わない。これで動かせない」などと述べ、安全対策の遅れにより再稼働できていない現状には触れず、持論を展開した。


 こうした焦りとも取れる発言の背景には、国内の再稼働の見通しが立たない上に、政府が推進した原発輸出政策に関しても、建設費の高騰から英国やトルコなどで失敗が続いていることがある。電力関係者は「原発で稼ぐ時代は終わりを迎えている」と打ち明けた。



基地 from 沖縄 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

基地 from 沖縄 カテゴリーニュース