原子力規制委員会は13日、本年度第3四半期の保安検査結果を公表した。関西電力大飯原発で昨年10月、敷地内の森林と建物の間に確保すべき「防火帯」に小屋の一部が入り込んでいたとして、保安規定違反と判定した。
保安規定内には同社が策定した「火災防護計画」があり、敷地内外の森林で火災が発生した際の影響を防ぐため、幅18メートル以上の防火帯を設けることを定めている。小屋は地震動評価の精度を上げるため地震計が設置された鉄骨平屋建ての観測施設で、昨年3月に設けた。壁の一部が最大で92センチ、防火帯に入り込んでいた。
同社が防火帯の範囲を誤って認識していたことが原因で、11月末に小屋を撤去した。
ただ、保安規定には違反したが、新規制基準の適合条件として防火帯の幅を16・2メートル以上と定めており条件を満たしていたことから、規制委は安全上大きな問題はないと判断。4段階ある違反の中で最も軽い「監視」とした。