福井と沖縄、原発と基地のニュースサイト

安全の「壁」次々と崩壊 福島第1原発、放射能漏れ

  • 2011年3月16日
  • 14:35
  • Twitterでシェア0
  • Facebookでシェア0
  • Google+でシェア
  • 0

 東京電力福島第1原発の危機が止まらない。1~3号機の事故に加え、15日は定期検査で停止中の4号機でも火災が発生。2度にわたって燃料が水面から完全に露出した2号機では、原子炉格納容器の一部が損傷した。防護のため幾重にも重ねたはずの「壁」が次々と崩壊。トラブルの連鎖は、言い知れぬ不安を広げている。 ■不気味な共鳴  14日午後、炉心に水を注ぐ装置が止まり冷却能力を失った2号機。東電は、この日午前に起きた3号機の水素爆発の衝撃が原因となった可能性があるとの見方を示した。隣り合った原子炉で続いて起きた重大な事故。不気味な共鳴は、事態の深刻さを増幅させた。  「一つの原発に6基もの原子炉が集中することこそ問題だ」。山下俊一長崎大教授(被ばく医療)は指摘する。一つの建屋で放射性物質が漏れると、被ばくの恐れから他の建屋への接近も難しくなる。つまり、トラブルが一つ起きると「別のトラブルに対処できなくなる」というのだ。  原子力技術に詳しい評論家の桜井淳さんは「海外では一つの原発に1~2基が常識」と話す。日本では、原発を受け入れてくれる土地が限られるため、原子炉の集中立地を余儀なくされたことが、今回の問題の遠因になっているという。 ■不足する人員  冷却能力を失った2号機では14日夜、外部からのポンプで海水を注入する作業が始まった。ところが、職員が目を離したすきにポンプ用燃料が切れて停止してしまうミスが起きて水位が急速に低下。核燃料が水面から完全に露出し、空だき状態になる前代未聞の事態に陥った。  いったんは水位が回復したものの、原子炉圧力容器の蒸気の逃し弁にトラブルも起き、再び燃料が全露出。これが15日朝、炉心の一部溶融と格納容器内の爆発につながったとみられる。2号機は、安全のため築かれた「五つの壁」のうち、建屋、燃料被覆管、格納容器と三つまでに穴が生じたことになる。  山下教授は「数少ない現場作業員に任せっきりではだめだ」と批判する。2号機の爆発以降、第1原発は800人いた作業員のうち50人を残して避難した。「(旧ソ連の)チェルノブイリ原発事故では数万人を投入した。福島原発でも千人単位を現場に送り、封じ込めに当たらせるべきだ」と、東電や国の対応は不十分だと指摘する。  「人間の集中力には限界がある。交代要員もいない中、異常な緊張感に何日も耐えられるわけがない。ミスも起きやすくなる」と山下教授はいう。 ■根本的対処を  4号機では15日、水素爆発が発生。使用済み燃料があるプールの水位を保っていたポンプが地震で動かなくなり、水位が低下。燃料が露出したため起きたとの見方があり、停止中でも起きた爆発事故に衝撃が広がった。東電は同様に停止中の5、6号機では非常用発電機でポンプが作動しており、当面心配はないとする。しかし、相次ぐ「想定外の事態」が、東電への信頼を突き崩した。  さらに、15日は原発敷地内での放射線量が、ついに最高の400ミリシーベルトを記録した。安斎育郎立命館大名誉教授(放射線防護学)は「一連のトラブルに有効な対策が打てないのは、どこからどれだけの放射性物質が漏れているのか、特定できていないからだ」とし、詳細な線量計測を行い根本的な対処を求める。多くの課題を背負い、福島原発の行方は見えないままだ。(共同)


基地 from 沖縄 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

基地 from 沖縄 カテゴリーニュース