
福井県の敦賀市議会は1月21日、文部科学省と経済産業省の幹部を呼び、国が昨年12月にまとめた高速炉開発の工程表などについて説明を受けた。政府は高速増殖原型炉もんじゅの廃炉後も敦賀を高速炉開発拠点と位置付ける方針を示しているが、工程表に全く示されなかったことに、議員から疑問や批判が相次いだ。
文科省の明野吉成もんじゅ・ふげん廃止措置対策監、経産省資源エネルギー庁の松野大輔・原子力政策課長らが訪れ、もんじゅの使用済み燃料などの搬出に向けた検討状況と高速炉開発の工程表について説明した。
具体性を欠く工程表について、議員からは「開発を本当に行う気があるのか。机上の話だ」「敦賀を位置付けると言って、いまだに検討していない」「分からないことばかりで破綻している」などと厳しい意見が相次いだ。
松野課長は「敦賀の位置付けは工程表に書いていないからといって変更はない。今後具体的、詳細な(高速炉開発の)絵を描く中で、敦賀との関係を明らかにしたい。現時点で十分な説明ができないのはおわびしたい」と苦しい弁明にとどまった。
政府が千人の雇用を維持するとしていた、もんじゅ構内で働く人員が一時800人台に落ち込んだことについても、議員からは「約束事が軽く流されている」などと批判が出た。
明野対策監は「廃炉作業で新たに出てくる仕事や契約情報をタイムリーに地元企業に出していくように取り組む。新たな雇用創出にも努める」と強調した。